1. 【ランキング】交通事故の発生原因トップ5
e-Stat(政府統計の総合窓口)によると、2023年の日本全国の交通事故の発生件数(注1)は、307,930件となっており、前年同期比では増加傾向を示しています。
また、死亡事故発生件数は、2,348件となっており、法令違反別では安全義務違反が原因の半数以上を占める結果となっています。ここでは、交通事故の発生原因トップ5の詳細を解説します。
注1:車両、路面電車及び列車の交通によって起こされた人の死亡又は負傷を伴う事故を対象とし、全国の都道府県警察から報告された資料により作成した公的統計です。
参照:e-Stat 政府統計の総合窓口 1-1交通事故発生状況
参照:e-Stat 政府統計の総合窓口 3-2-1原付以上運転者(第1当事者)の法令違反別死亡事故件数の推移
1.漫然運転
漫然運転は、脇見運転や居眠り運転とは異なります。視線は前方に向けているものの、無意識的に運転以外のことに意識が向いた状態で運転する行為を指します。疲労、睡眠不足、ストレス、単調な道路の長時間運転などが原因として考えられます。
漫然運転を予防するためには、こまめな休憩、スマートフォンの通知をオフにする、ガムを噛むなどの集中力を高める工夫が効果的です。また、運転前に十分な睡眠を取るなどの体調管理を整えることも重要です。
2.安全不確認
安全不確認は、前後左右の安全確認を怠る行為を指します。例えば、右折時に対向車線から直進してきた車両と衝突してしまったり、左折時に横断歩道を渡る歩行者を巻き込んでしまったりすることなどが挙げられます。
一時停止や徐行運転をした場合でも、安全不確認による事故は交通事故の原因の上位を占めています。事故を防ぐためには、十分な車間距離を保ち、常に周囲の動静を確認することが重要です。
3.運転操作不適
運転操作不適は、危険を認知したものの、適切な措置を取れなかった全般的な運転操作ミスを指します。例えば、アクセルとブレーキの踏み間違いやハンドル操作の誤りなどが該当します。
運転操作を一度誤ってしまうと、運転者がパニックに陥りやすいです。アクセルをブレーキだと思い込み長時間踏み続けてしまったり、逆方向にハンドルを切り続けてしまったりすると、さらなる大きな事故を生むリスクにつながります。
運転操作不適を防ぐためには、冷静さを保ち、常に適切な速度での運転と十分な車間距離を取りましょう。また、高齢者の運転時には、無理のない運転環境を整えることが推奨されています。
4.脇見運転
脇見運転は、前方を見ずに運転する行為を指します。携帯電話の操作やカーナビの設定、同乗者との会話や視線を外して看板や風景を眺めるなど、前方への意識が逸れる行為は、歩行者や前方車両に接触するリスクとなります。なお、運転中にカーナビ等を注視したり、携帯電話等を手に持って通話したりすることは道路交通法により禁止されています。
5.歩行者妨害等
歩行者妨害は、横断歩道での歩行者優先を無視して進行する違反行為です。歩行者妨害による交通事故を防止するため、違反者には、罰則として最大で三月以下の懲役又は五万円以下の罰金、行政処分として違反点数2点と9,000円(普通車)の反則金が科される可能性があります。しかしながら、多くの運転者が義務を守らず、事故につながる違反が多発しています。
歩行者妨害の防止には、横断歩道での歩行者優先を強く意識し、横断歩道前で歩行者がいるかどうかを確認し、徐行運転を心がけることが重要です。
2. 【交通事故の動向】推移と現状
直近の交通事故件数の推移と現状にはどのような変化があるでしょうか。ここでは、交通事故の現況をデータを交えながら解説します。
交通事故件数の推移
2023年の交通事故の中の死亡事故件数は、2,618件となっています。また、交通事故死者数は2,678人となっており、どちらも前年比較で増加しています。
交通事故による死者数は、過去最多であった昭和45年の16,765人と比較すると、飲酒運転厳罰化などの成果により減少したものの、平成27年以来8年ぶりに増加しました。

参照:e-Stat 政府統計の総合窓口 1-1交通事故発生状況
参照:内閣府 特集 「交通安全対策の歩み~交通事故のない社会を目指して~」第1章 交通安全対策の取組の経緯と交通事故の減少
参照:内閣府 令和5年度交通事故の状況及び交通安全施策の現況 令和6年度交通安全施策に関する計画
参照:道路の交通に関する統計 / 交通死亡事故の発生状況及び道路交通法違反取締り状況等について
高齢者の事故率は高く、死者数は過半数を占める
年齢層別の交通事故死亡者数では、65歳以上の高齢者の割合が全体の54.7%(1,466人)、そのうち、歩行中及び自転車乗用中における交通事故死者数が61.1%(895人)という結果が明らかとなっています。
日本は国際比較において、人口10万人当たりの交通事故死者数(30日以内死者数)は低い水準かつ減少傾向にありますが、高齢者の交通事故の死亡者数は多いです。
そのため、高齢者の通行に適した道路交通環境の整備や高齢者向けの交通安全教育を充実させていくことが重要視されています。

参照:内閣府 令和5年度交通事故の状況及び交通安全施策の現況 令和6年度交通安全施策に関する計画 p2