運転日報アプリは、日報作成の手間を削減できるデジタルツールです。記録の正確性を高めたり管理業務の負担を軽減したりできます。しかし、「運転日報アプリにはどんな種類や機能があるのかがわからない」「どのような基準で選ぶべきかわからず導入できない」とお困りの方もいるのではないでしょうか?
本記事では、運転日報アプリの基本的な機能や種類、選び方まで詳しく解説します。さらに、おすすめの運転日報アプリもご紹介するので、運転日報アプリの導入を検討している方は、ぜひ参考にしてください。
運転日報アプリとは
運転日報アプリとは、企業が使用する社用車の業務使用状況を記録・管理するためのデジタルツールです。アプリを使用することで、運転日報の作成をスマートフォンやタブレットで簡単に行えます。作成したデータはクラウド上に保存・管理できるのが特徴です。
運転日報とは、社用車を業務で使用した際の運転者氏名、運転日時、走行距離などを記録したものです。「緑ナンバー(注1)」を使用する企業と、その他の企業のうち一定台数以上の「白ナンバー(注2)」を使用する事業所には、運転日報の作成が法律で義務付けられています。
「緑ナンバー」を使用する貨物自動車運送事業者は、貨物自動車運送事業輸送安全規則第八条に基づき、運転日報の記録と1年間の保存が必須です。
引用:貨物自動車運送事業輸送安全規則第八条(業務の記録)
第八条 一般貨物自動車運送事業者等は、事業用自動車に係る運転者等の業務について、当該業務を行った運転者等ごとに次に掲げる事項を記録させ、かつ、その記録を一年間保存しなければならない。
具体的には、以下項目の記載が義務とされています。
- 運転者の氏名
- 事業用自動車を識別できる表示(自動車の車種と登録番号(ナンバー)等)
- 業務の開始及び終了の地点
- 業務の開始及び終了の日時
- 主な経過地点
- 走行距離
- 業務を交替した場合は、交替した地点と日時
- 休憩や睡眠をとった場合は、その地点と日時
- 貨物の積載状況や集貨地点等(車両総重量が8トン以上または最大積載量が5トン以上の普通自動車である事業用自動車)
- 事故もしくは大幅な運行の遅延、その他の異常な状態が発生した場合は、概要と原因
- 経路など、運行に関する指示内容
また、一つの事業所で一定台数以上の白ナンバー車両(乗車定員11人以上の自動車1台以上、もしくは乗車定員10人以下の自動車5台以上)を使用する企業の場合は、運転者に対し、以下の項目を運転日報に記録させる必要があります。
- 運転者の氏名
- 運転の開始日時と終了日時
- 走行した距離
- その他、自動車の運転状況を把握するために必要な事項
引用:道路交通法施行規則第九条の十 八(安全運転管理者の業務)
第九条の十 八 運転者名、運転の開始及び終了の日時、運転した距離その他自動車の運転の状況を把握するため必要な事項を記録する日誌を備え付け、運転を終了した運転者に記録させること。
注1:運送業許可を取得した事業者に交付され、運送業に使用する営業車両に取り付けられる、緑地に白い文字のナンバープレートのこと。
注2:緑ナンバーの車両以外の、自家用車や社用車として利用される自動車に取り付けられる、白地に緑の文字のナンバープレートのこと。なお、黄色ナンバーの軽自動車もここでいう白ナンバーに含まれます。
なお、運転日報については、他の記事でも触れています。より詳しい情報を知りたい方は、以下の記事をご覧ください。

運転日報とは?記録内容とテンプレートを紹介【弁護士監修】
運転日報とは、運転者の氏名や運転日時などを記録するもので、対象企業は作成が義務付けられています。この記事では運転日報の基本、記録内容の解説とすぐに使えるテンプレートを紹介します。
従来多くの企業では、紙やExcelファイルを使用して運転日報を作成・管理してきました。しかし、紙やExcelファイルだと誤記入のリスクがあったり、作成・管理業務の負担が大きかったりするデメリットがあります。
運転日報アプリを活用すれば、入力作業の負担を軽減することが可能です。スマホから必要項目を入力したり、サービスによっては走行距離・走行経路などの情報が自動取得されたりします。データの自動集計や一括管理が可能になるため、管理業務の効率化も図れるでしょう。免許証等の有効期限や車検時期、アルコールチェック機能などでコンプライアンス対応の強化もできます。
このような運転日報アプリの導入によって得られるメリットも多く、今後導入数の増加が見込まれます。
運転日報アプリの種類
運転日報アプリは大きく分けて、手入力型と自動記録型に分類されます。どちらのタイプを選択するかは、企業のニーズや運用方法によって異なりますが、それぞれに特徴があります。

手入力型
手入力型の運転日報アプリは、従来の紙ベースの日報をデジタル化したものです。ドライバーがスマホやタブレットを使用して、運転開始時間や終了時間、走行距離、経由地点などの情報を手動で入力します。
手入力型アプリは、入力の手間を軽減する工夫が施されていることが多いです。例えば、プルダウンメニューや事前に設定した選択肢から項目を選ぶもの、スマホのカメラでメーター写真を撮影し、走行距離を自動で読み取る機能を備えているものがあります。
手入力型のアプリは導入コストが比較的低く、複雑な機器の設置が不要なため、小規模な企業や車両台数が少ない企業に適しています。ただし、データの正確性はドライバーの入力に依存するため、入力ミスや記入漏れのリスクがあることは念頭に置きましょう。また、入力の手間や時間がかかる点についても考慮する必要があります。
自動記録型
自動記録型の運転日報アプリは、走行距離や経路、運転時間などのデータを自動的に記録します。使用するデバイスは、主にシガーソケットタイプとドラレコタイプの2種類に分けられます。
シガーソケットタイプ
シガーソケットタイプは、車両のシガーソケットに専用デバイスを挿入して使用します。専用デバイスにはGPSが搭載されており、車両の位置情報や走行距離、運転時間などを自動的に記録することが可能です。
専用デバイスをシガーソケットに差し込むだけで使用できるため、簡単に導入できます。また、車両の入れ替えや一時的な利用にも柔軟に対応できる点もメリットといえるでしょう。ただし、シガーソケットを常時使用するため、他の機器が使えないことがあります。
ドラレコタイプ
ドラレコタイプは、ドライブレコーダーと連携して使用するものです。GPSによる位置情報の記録に加え、車内外の映像を常時記録します。さらに、AI技術を活用して運転行動を分析し、急加速や急ブレーキ、脇見運転などの危険な運転行動を検知できるアプリや、顔認証技術を用いてドライバーを特定し、個人ごとの運転特性を分析できるアプリもあります。
万が一事故が発生した場合でも、記録された映像を即時に確認できるため、迅速な状況把握と適切な対応が可能です。このようにドラレコタイプは、単なる運転日報の自動作成にとどまらず、より包括的な車両管理と安全運転管理が行えます。
ただし、導入コストが比較的高く、各車両への専用機器の設置が必要です。導入に際しては慎重な検討が求められます。

MIMAMO DRIVE デモ体験
運転日報アプリの基本機能
運転日報アプリには、さまざまな機能が備わっています。ここからは、運転日報アプリに備わっていることの多い5つの基本機能を解説します。運転日報アプリの導入を検討する際は、基本機能がどのように実装されているかを確認し、自社のニーズに合ったものを選択することが重要です。

運転日報の記録機能
運転日報の電子的な記録は、アプリの最も基本的かつ重要な機能です。主な記録内容には、以下が含まれます。
- 運転者の氏名
- 利用車両・車両番号
- 走行距離
- 出発および帰着の日時
- 行き先
ほとんどの項目はタップ選択式になっており、入力の手間を最小限に抑えられるよう工夫されています。また、自動記録型の場合は走行距離などが自動で取得されるため、記録の正確性が向上します。
運転日報の管理機能
記録された運転日報を効率的に管理する機能です。複数ドライバーの日報を一括管理できるので、管理業務を効率的に行えます。
例えば、ドライバーごとや車両ごとにデータ分析をしたり、過去の日報の閲覧・検索したりすることが可能です。さらに、承認フロー機能を設けることで、車両の私的利用防止にも貢献します。運転日報の管理機能は、管理業務の効率化やデータ分析による業務改善などに役立てられるでしょう。
アルコールチェック機能
運転者の安全運転管理に欠かせないのが、アルコールチェック機能です。アルコールチェックの測定結果を記録・管理できるほか、一部のアプリではアルコールチェッカーと連携し、結果を自動入力する機能も備えています。
従来より、緑ナンバー事業者のアルコールチェックは義務化されていました。2022年の法改正により、安全運転管理者の選任が必要な白ナンバー事業者も対象になっています。アルコールチェック機能は、法令遵守と安全運転管理をサポートする重要な機能といえます。
なお、アルコールチェック義務化については、以下の記事で詳しく解説していますので、ぜひ参考にしてください。

アルコールチェック義務化の対応方法と実施のポイント【弁護士監修】
道路交通法施行規則が改正され、現在は緑ナンバーだけでなく、一定台数以上の白ナンバーの社用車を持つ事業者にも安全運転管理者の選任とアルコールチェックの実施と記録の保存が義務付けられています。この記事では、アルコールチェックが義務となる事業者と対応方法、実施のポイントについて紹介しています。
日常点検記録機能
道路運送車両法で定められている日常点検をアプリ上で実施・記録する機能です。運行開始前に実施すべき点検項目をアプリ上でチェック・点検ができます。
紙やExcelでの管理と比べ、用紙・ファイル管理の手間を大幅に削減することが可能です。また、点検漏れの防止や点検結果を記録しやすいメリットがあります。
車両情報の管理機能
社用車の詳細情報を一元管理する機能です。車両番号や車検満了日、整備履歴などの情報を登録・管理できます。一部のアプリでは、車検満了日が近づくとメール等で通知するアラート機能もあります。
複数の車両情報を管理する企業にとって、すべての車検満了日を記憶するのは困難です。アラート機能は車両管理を効率化し、メンテナンスの漏れや遅れを防止するのに役立つでしょう。また、一元管理によって車両の稼働状況や維持費の分析も行いやすくなります。
運転日報アプリの選び方
運転日報アプリは、自社のニーズと予算に合わせて最適なものを選ぶことが重要です。ここからは、運転日報アプリの選び方を2つご紹介します。
アプリの種類で選ぶ
運転日報アプリは、自社の導入目的や既存のシステム環境に応じて、適切な種類を選ぶことが重要です。
手入力型アプリは、導入コストが比較的低く、複雑な機器の設置が不要です。コストを抑えたい場合や、すばやく導入したい企業に向いています。ただし手入力のため、入力ミスや記入漏れのリスクがあること、入力の手間がかかる点は考慮する必要があります。
一方で、自動記録型アプリは、各データを自動で記録することが可能です。正確なデータを記録できたり、入力にかかる工数を削減できたりするメリットがあります。特にシガーソケットタイプは、導入も簡単です。シガーソケットに専用デバイスを挿入すれば使用できるため、車両の入れ替えにも柔軟に対応できます。導入コストの比較的低い点もメリットです。
ドラレコタイプは運転日報の作成だけではなく、包括的な車両管理が行えます。安全管理の強化も同時に行いたい場合に適しているでしょう。しかし、導入コストや機器の設置工数には留意する必要があります。
料金設定やトライアルの有無で選ぶ
運転日報アプリを導入する際には、料金設定やトライアルの有無も確認しましょう。多くの運転日報アプリは、月額制を採用しています。料金体系は「車両1台あたり/円」もしくは「利用者1人あたり/円」であることが一般的です。車両の使用状況に応じて、有利な料金体系が異なります。特に1台の車両を複数人でシェアしている場合などは、どちらの料金体系が有利かよく確認してから導入することをおすすめします。
また、月額料金とは別に、初期費用が必要なアプリもあります。特に、専用機器の購入や取り付け工事が必要なアプリは、初期費用が発生することが多いです。初期費用の有無もよく確認したうえで、運転日報アプリを選んでみてください。
なお、無料トライアル期間を設けているアプリだと、実際の使用感や操作性、自社の業務フローとの適合性を確認できます。導入後に失敗しないためにも、トライアルのあるアプリだと安心です。
MIMAMO DRIVEで車両管理業務を効率化!
MIMAMO DRIVEとは
MIMAMO DRIVEとは東京海上スマートモビリティが提供する、車両管理・リアルタイム動態管理サービスです。シガーソケット型端末を車両に搭載するだけで、管理者は車両を一元管理できます。
MIMAMO DRIVEでは、日報の自動化に加えてアルコール検知器の測定結果の写真や数値も、日報と一緒に一元管理する機能を搭載しています。そのほか、リアルタイムでの走行状況をマップで確認できたり、走行距離を自動で記録できたりする便利な機能が多数あります。
「月報・日報を書く時間がない」
「紙媒体で管理していた煩雑な車両の使用状況を効率的に管理したい」
「事故のリスクを減らす効果的な方法が知りたい」
そんなお困りごとを、MIMAMO DRIVEなら解決できます。
ほかにも急ブレーキや急カーブなどの発生地点も確認できる機能があり、運転者に安全運転指導ができるので事故防止にもつながります。
東京海上グループは、お客様や地域社会の“いざ”をお支えするというパーパスを掲げ、100 年以上に わたり自動車保険をはじめとする様々な保険商品を提供してきました。
MIMAMO DRIVEは東京海上グループが長年培ってきた安全に関するノウハウに基づき運転者の走行を数値化し、アドバイス。運転評価やランキング、運転性向上など、安全指導に活用できる機能を搭載しています。
運転日報の作成・管理にMIMAMO DRIVEを導入するメリット
MIMAMO DRIVEは車両管理に関する重要な情報を一元管理できます。
- アルコールチェックの測定結果と日報を一元化
- ペーパーレス化により管理作業時間を短縮
- リアルタイムで位置情報を可視化し、管理業務を効率化
- 運転者の安全運転意識と運転マナーの向上
- 全車両の車検や保険の更新漏れを防止
上記のほかに、MIMAMO DRIVEは、運転日報・月報の作成を自動化できるメリットもあります。自動化できるとドライバーの工数が減るため、作成にかかる人件費を削減することが可能です。活動記録と走行データは管理者に自動連携され、管理もしやすくなります。さらに、作成後の運転日報は電子データで保存されることから、書類の保管スペースや管理コストの削減にもつながるのです。
また、スマホから入力可能なところも運転者が漏れなく記録できるポイントです。例えば、スマホからなら直行直帰や出張などで営業所に立ち寄れない場合でも、アルコール検知器による測定結果をその場で日報にあげることができます。とくに遠隔の場合は、紙媒体だと車両に持ち込み忘れたり、紛失したりする恐れがあります。MIMAMO DRIVEなら、遠隔でも運転者が記入したかどうかを確認することができ、記録簿の紛失の心配もいりません。
導入事例
乳製品の卸売販売と小売店舗を営む永島牛乳店様の事例をご紹介します。永島牛乳店様では、取引先への商品の納品用に5台の社用車を保有しています。運転者の自損事故をきっかけにMIMAMO DRIVEを導入しました。
リアルタイムで車両の位置情報を把握できるため、運転者が出発後に追加注文が入った際にも、代わりに動きやすい運転者を見つけて効率よく指示出しができるようになりました。また、納品時間を気にされる取引先へのご案内もスムーズにできており、全体を通じて、管理者の負担削減につながっています。
ガソリンスタンドの運営と燃料の卸販売、ビルメンテナンス業を営む手塚商事様の事例をご紹介します。運転者の日報の手書きによる記載ミスが発生していました。MIMAMO DRIVEの導入により、日報の作成が自動化され毎日の作業時間を30~40分短縮できています。
また、車両管理も車検満了日などは管理表を作成し運用していましたが、台数が多く負担を感じていました。導入後はMIMAMO DRIVEで一元管理し、業務の効率化を実現しています。
- MIMAMO DRIVE 資料紹介
-
MIMAMO DRIVEは社有車に関する “経営者” “車両管理者” “運転者”皆様のお困りごとを解決する、 車両管理・リアルタイム動態管理サービスです。サービスの概要や主な機能、活用事例を簡単にご紹介しています。サービスの導入をご検討されている皆様にぜひご覧いただきたい資料になります。
まとめ
運転日報アプリとは、企業が使用する社用車の業務使用状況を記録・管理するためのデジタルツールです。運転日報の作成・管理はもちろん、アルコールチェックや日常点検記録、車両情報の一元管理なども行えます。従来は煩雑だった作業を簡素化したり、管理業務を効率化できたりするため、導入するメリットは大きいでしょう。
なお、運転日報アプリをお探しなら、MIMAMO DRIVEがおすすめです。運転日報の自動作成・管理機能はもちろん、リアルタイムでの位置情報管理や安全運転指導機能、アルコールチェック機能も搭載されています。シガーソケットに差し込んで使用するため、導入コストも低いです。
ぜひ本記事の内容を参考にしながら、自社に最適な運転日報アプリを導入してみてください。