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2025年4月完全対応版|貨物軽自動車“安全運転管理者”新制度の義務・罰則と対応ガイド

3分でわかる車両管理・リアルタイム動態管理サービス | MIMAMO DRIVE

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MIMAMO DRIVEを導入すると車両管理を効率化できます。
ドライバーの場合、乗務前と後に作成する運転日報が自動で作成可能になるので毎日20分程度の業務時間削減が見込めます。
本資料ではMIMAMO DRIVEの『リアルタイム位置情報』『アルコールチェック管理』『日報作成』といった機能紹介の他、使い方、導入方法を簡単に知ることができます。

※この記事は2025年05月01日時点の情報を基に執筆しています。 2025年4月完全対応版|貨物軽自動車“安全運転管理者”新制度の義務・罰則と対応ガイドのサムネイル

近年、ネットショッピング(EC)の拡大に伴い、宅配便の取扱量が増え続けています。これにあわせて、小回りの利く軽自動車を使った配送サービスの需要も急速に高まっています。

しかしその一方で、事業用の軽自動車による死亡・重傷事故が年々増加しており、安全面での課題が深刻化しています。こうした背景を踏まえ、国土交通省は2023年10月に「貨物軽自動車運送事業の安全対策強化」を公布しました。2025年4月からは、安全運転管理者の選任・講習、業務記録・事故報告の義務化などが本格施行されました。本記事では新制度の対象範囲と義務、罰則の詳細、を整理しています。さらに安全運転管理者の業務負荷を抑えるツールとして MIMAMO DRIVEの活用ポイントも紹介します。

なぜ改正?事故増加と制度化の背景

EC市場の拡大により、1台の軽バンで効率よく荷物を届ける「貨物軽自動車運送事業者」が急増しています。しかしその一方で、安全面での課題も浮き彫りになっています。

国土交通省の発表によると、平成28年から令和5年までの間に、他の事業用貨物車の死亡・重傷事故は約2割減少した一方で、事業用の貨物軽自動車では約4割も増加しています。こうした現状を受け、国交省は「貨物軽自動車運送事業者に対する安全対策の強化が必要」と判断しました。

そこで国交省は2023年10月、「貨物軽自動車運送事業輸送安全規則等の改正」を公布し、2025年4月1日から安全対策を強化すると発表しました。

今回の改正では、以下のようなポイントが事業者に義務づけられます。

  • 貨物軽自動車安全管理者の講習受講
  • 貨物軽自動車安全管理者の選任
  • 初任運転者や高齢ドライバーへの特別な指導と適性診断の受診
  • 業務の記録
  • 事故の記録
  • 国土交通大臣への事故報告

こうした対応を通じて、事故の発生件数を減らし、より安全な運送業界を目指すのが今回の制度改正の目的です。

貨物軽自動車運送事業における安全対策を強化するための制度改正について (周知用ポスター)

今回の改正のスケジュールを以下表にまとめました。

公布 令和6年10月1日
施行 令和6年11月1日(講習機関に係る登録関係)
令和7年4月(貨物軽自動車運送事業者に対する規制関係)
経過措置 既存の貨物軽自動車運送事業者に対する規制については、以下の猶予期間を設けます。
○貨物軽自動車安全管理者の選任:施行後2年
○特定の運転者への特別な指導及び適性診断の受診:施行後3年

新制度の対象と義務 早見表

貨物軽自動車運送事業とはとは、軽自動車を使って荷主の荷物を配送する事業のことです。一般的には「軽貨物ドライバー」「軽貨物運送」といった呼ばれ方をしますが、法律上は「貨物軽自動車運送事業」といいます。

ナンバープレートの色にも違いがあります。

  • 自家用の軽自動車(マイカーなど):黄色地に黒文字
  • 事業用の軽貨物車両:黒地に黄色文字

つまり、軽貨物配送の仕事をする場合は、黒ナンバー(事業用ナンバー)に変更する必要があります。

2025年4月からは、この事業用黒ナンバーの軽貨物車両を使う事業者に対して、新しい安全対策制度が導入されました。貨物軽自動車安全管理者の選任、初任運転者等への特別な指導及び監督や業務記録の作成、事故発生時における再発防止対策等の記録・報告等といった新たな安全対策を定めています。

なお、個人で軽貨物事業を行っている方も対象です。自分自身で安全対策の実施や記録の管理を行う必要があります。

貨物軽自動車運送事業者の安全対策早見表(選任・講習・記録等)

2025年4月、国土交通省は貨物軽自動車運送事業者向けに新たな安全対策制度をスタートさせました。これは、増加する軽貨物事故への対応として、事業者に対してより具体的な安全管理を求めるものです。

以下に、新制度で施行された新たな安全対策についてまとめました。

貨物軽自動車安全運転管理者の講習受講 貨物軽自動車安全管理者選任に加えて、選任後も2年ごとに受講しなければいけません
貨物軽自動車安全運転管理者の選任・届出 営業所ごとに選任し、選任時には法令で定められた事項について、運輸支局を通じて国土交通大臣に届出しなければいけません。
初任運転者などへの指導・適性診断の受診 法令で定められた初任運転者の特定の運転者に対して、特別な指導をしなければいけません。また、適性診断を受診させなければいけません。
業務の記録 法令で定められた項目について記録を作成し、1年間保存しなければいけません。
事故の記録 事故が発生した場合、その概要や要因、再発防止策を記録し3年間保存しなければいけません。
国土交通大臣への事故報告 死傷者を生じた事故について、運輸支局等を通じて国土交通大臣へ報告しなければいけません。

この他にも、引き続き実施すべき安全対策があります。詳しくは、国土交通省の公式リーフレット(PDF)をご確認ください。

国土交通省の公式リーフレット(PDF)

次の章からは、今回新たに施行された安全対策について、詳細を解説していきます。

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貨物軽自動車安全運転管理者の講習受講とは?

貨物軽自動車運送事業者は、営業所ごとに「貨物軽自動車安全管理者」を選任する必要があります。この安全管理者になるためには、事前に講習を受けること、さらに選任後も2年ごとに「定期講習」を受け続けることが法律で決められています。

具体的には、次の2種類の講習が義務づけられています。

  • 【はじめて選任される方向け】貨物軽自動車安全管理者講習
    これから「安全管理者」に選ばれる方を対象にした講習です。
    運転の安全を守るために必要な基本的なルールや管理の知識を学ぶことができます。
  • 【すでに選任されている方向け】貨物軽自動車安全管理者定期講習
    すでに安全管理者として活動している方が、最新の法令や運行管理ノウハウを学び直すための講習です。
    選任から2年ごとに受講が必要です。

これらの講習は、国土交通大臣の登録を受けた講習機関で受講することが義務です。

講習は、国土交通大臣の登録を受けた講習機関で受講しなければいけません。各講習機関の一覧は国土交通省ホームページを確認しましょう。

貨物軽自動車安全管理者講習とは?受講のタイミングと講習内容

「貨物軽自動車安全管理者講習」は、安全運転管理者として新たに選任される際に必ず受講しなければならない講習です。

この講習では、貨物軽自動車運送事業において安全な運行を守るために必要な知識や実務のポイントを学びます。

講習は、主に以下のようなテーマで構成されています:

  • 自動車運送事業、道路交通等に関する法令
  • 運行管理の業務に関すること
  • 自動車事故防止に関すること
  • 修了試問及び補習

この講習は5時間以上の受講が必要で、修了証が交付されます。

受講後は、安全管理者としての責任と役割を自覚し、事業所内での事故防止や安全対策の中心的な役割を担うことになります。

貨物軽自動車安全管理者定期講習とは?更新のタイミングと講習内容

貨物軽自動車安全管理者定期講習は、すでに安全運転管理者として選任されている方が対象の更新講習です。運行の安全を守るために、最新の法令や実務知識を定期的に学ぶことが目的とされています。

この定期講習は、貨物軽自動車運送事業者が管理者に対して選任日から2年ごとに受講させることが義務づけられています。受講を忘れてしまうと法令違反になるおそれがあるため、早めのスケジューリングが大切です。

講習内容は、貨物軽自動車安全管理者講習と同様に「自動車運送事業、道路交通等に関する法令」「運行管理の業務に関すること」「自動車事故防止に関すること」「修了試問及び補習」から構成されており、2時間以上の実施が必要です。

物軽自動車安全管理者定期講習も貨物軽自動車安全管理者講習と同様で、国土交通大臣の登録を受けた講習機関で受講しなければいけません。各講習機関の一覧は国土交通省ホームページを確認しましょう。

貨物軽自動車安全運転管理者の選任・届出

貨物軽自動車運送事業を行うには、営業所ごとに「貨物軽自動車安全管理者」を選任することが法律で定められています。

この「安全管理者」は、運行の安全を守るために必要な知識を身につけたうえで、ドライバーや車両の安全管理を担う重要なポジションです。

たとえば、以下のような業務を行います。

  • ドライバーへの安全指導や適性診断の実施
  • 日々の運行記録や点検記録の管理
  • 事故が発生した際の原因分析と再発防止策の作成

安全管理者に選ばれた方は、前章で解説した講習を受けることが義務付けられており、そこで学んだ内容を業務にしっかり活かしていくことが求められます。

貨物軽自動車安全管理者の専任基準

貨物軽自動車運送事業者(黒ナンバー) で事業を行うすべての事業者は、「貨物軽自動車安全管理者」を営業所ごとに選任する義務があります。

一人で事業を行っている場合は、基本的にご自身を貨物軽自動車安全管理者として選任する必要がありますが、配偶者や家族従業者から選任することも可能です。

一方で、バイク便を使った配送事業者は貨物軽自動車安全管理者の選任義務はありません。貨物軽自動車安全管理者の選任義務の対象は、「四輪以上の軽自動車を使用して貨物を運送する事業者」に限定されています。

貨物軽自動車安全管理者として選任できるのは、以下のいずれかに該当する方です。

  1. 貨物軽自動車安全管理者講習を選任の日前 2 年以内に修了した者
  2. 貨物軽自動車安全管理者講習を修了し、かつ、貨物軽自動車安全管理者定期講習を選任の日前 2 年以内に修了した者
  3. 当該事業者が一般貨物自動車運送事業又は特定貨物自動車運送事業を経営している場合に、運行管理者として選任されている者

また安全管理者を選任したら、以下の情報を管轄の運輸支局へ届け出る必要があります:

  • 貨物軽自動車運送事業者の氏名又は名称
  • 貨物軽自動車安全管理者の氏名及び生年月日
  • 貨物軽自動車安全管理者の選任年月日及び
  • 講習修了年月日

届出の様式は、国土交通省のホームページからダウンロード可能です。

様式・関連情報(貨物軽自動車運送事業者の方々向け)

なお、安全管理者を解任したり変更があった場合も、遅滞なく届出が必要となりますので注意しましょう。

貨物軽自動車安全管理者の業務内容

軽貨物運送事業を安全に運営するためには、貨物軽自動車安全管理者の存在が欠かせません。この安全管理者は、運行に関するリスクを未然に防ぐための知識を持ち、ドライバーや車両の安全管理を担う責任者です。

選任された方は、法律で定められた次のような業務をしっかりと行う必要があります。

  1. 運転者が休憩又は睡眠のために利用することができる施設を適切に管理すること。
  2. 定められた勤務時間及び乗務時間の基準の範囲内において乗務割を作成し、これに従い運転者を事業用自動車に乗務させること。
  3. 酒気を帯びた状態にある運転者を事業用自動車の運行の業務に従事させないこと。
  4. 運転者の健康状態の把握に努め、疾病、疲労、睡眠不足その他の理由により安全に運行の業務を遂行できないおそれがある運転者を事業用自動車の運行の業務に従事させないこと。
  5. 過積載による運送の防止について、運転者に対する指導及び監督を行うこと。
  6. 貨物の積載方法について、運転者に対する指導及び監督を行うこと。
  7. 運転者に対して点呼を行い、報告を求め、確認し、指示を与え、その内容を記録して保存すること。また、運転者に対して使用するアルコール検知器を常時有効に保持すること。
  8. 事業用自動車に係る運転者の業務について、運転者に対して記録させ、その記録を保存すること。
  9. 事業用自動車に係る事故が発生した場合には、必要な事項を記録し、保存すること。
  10. 貨物軽自動車運転者等台帳を作成し、営業所に備え置くこと。
  11. 運転者に対する指導、監督及び特別な指導を行うとともに、記録し、保存すること。
  12. 運転者に適性診断を受けさせること。
  13. 異常気象その他の理由により輸送の安全の確保に支障を生ずるおそれがあるときは、運転者に対する適切な指示その他輸送の安全を確保するために必要な措置を講ずること。
  14. 国土交通大臣又は地方運輸局長から事故防止対策に関する通知があった際は、事業用自動車の運行の安全の確保について、運転者に対する指導及び監督を行うこと。

これらの業務は、事故防止と安全運行のために欠かせない取り組みです。

安全管理者は、単なる「名ばかりの責任者」ではなく、日常業務を通じてドライバーや車両を支えるキーパーソンといえます。

初任運転者などへの指導・適正診断の新ルール

貨物軽自動車運送事業では、ドライバーの安全意識と運転スキルを保つため、特定の運転者に対して「特別な指導」と「適性診断」の受診が義務づけられています。

以下のいずれかに当てはまるドライバーは、必ず対応が必要です。

  • 初任運転者(過去に一度も特別な指導・適性診断を受けていない者)
  • 高齢運転者(65歳以上)
  • 死者又は負傷者が生じた事故を引き起こした者

また、貨物軽自動車運送事業者は、運転者の氏名、当該運転者に対する指導及び当該運転者の適性診断の受診状況等を記載した貨物軽自動車運転者等台帳を作成し、これを営業所に備え置かなければいけません。

適性診断の種類

貨物軽自動車運送事業では、運転者の運転傾向や注意力などを客観的に測定する「適性診断」が義務づけられています。この診断では、ドライバーの“運転のクセ”を発見し、それぞれのクセに応じたアドバイスで、交通事故防止に活用することを目的としています。

適性診断は以下4種類があり、国土交通省の認定を受けた機関で受診する必要があります。

種類 対象者 内容
初任診断 所属する貨物軽自動車運送事業者の運転者として初めて乗務する運転者 診断の結果を基にプロドライバーとしての自覚、事故の未然防止のための運転 行動等及び安全運転のための留意点等について助言・指導を行うもの。
適齢診断 65 歳以上の者 診断の結果を基に、加齢による身体機能の変化の運転行動への影響を認識 してもらい、事故の未然防止のための身体機能の変化に応じた運転行動について助言・指 導を行うもの。
特定診断Ⅰ (1)死亡又は重傷事故を起こし、かつ、当該事故前の 1 年間に事故を起こしたことがな い者 (2)軽傷事故を起こし、かつ、当該事故前の 3 年間に事故を起こしたことがある者 交通事故を引き起こすに至った状況等について聞き取りを行い、運転経歴等を 参考に、交通事故の再発防止に必要な運転行動等についての助言・指導を行うもの。
特定診断Ⅱ 死亡又は重傷事故を起こし、かつ、当該事故前の 1 年間に事故を起こした者 受診者の運転性向の基本要因に係る諸特性を明らかにするとともに、交通事 故を引き起こすに至った運転特性及びその背景となった要因などを参考に、交通事故の再 発防止に必要な運転行動等について助言・指導を行うもの。

業務記録・事故記録の義務化

2025年4月の制度改正により、貨物軽自動車運送事業者は運行に関する記録の作成・保存が義務化されました。

業務や事故の記録は、安全運転の実施状況を「見える化」する重要な手段であり、保存期間も定められています。

業務の記録項目とは?

業務記録とは、運転者ごとにその日の仕事内容を記録するものです。一般的には「日報」と呼ばれています。

この記録は、1年間保存する必要があります。

  • 運転者等の氏名
  • 運転者等が従事した運行の業務に係る事業用自動車の、車両番号
  • 業務の開始及び終了の地点、日時、主な経過地点、業務に従事した距離
  • 業務を交替した場合、その地点及び日時
  • 休憩または睡眠をした場合、その地点及び日時
  • (荷主都合により集貨又は配達を行った地点で 30 分以上待機した場合)荷主の都合により集貨または配達を行った地点(以下「集貨地点等」という。)で待機した場合は、集貨地点等、集貨地点等への到着日時(荷主から指定された場合)、集貨地点等に到着した日時、集貨地点等における積込みまたは取卸し(以下「荷役作業」という。)の開始・終了日時、集貨地点等で貨物の荷造り・仕分けその他の貨物自動車運送事業に附帯する業務(以下「附帯業務」という。)を行った場合はその開始・終了日時、集貨地点等からの出発日時
  • (荷役作業又は附帯業務(以下、「荷役作業等」という。)を実施した場合(荷役作業等が契約書に明記されている場合は、荷役作業等が1時間以上である場合に限る))集貨地点等で、荷役作業等を実施した場合、集貨地点等、荷役作業等の開始・修了日時、荷役作業等の内容、集貨地点等・日時・内容について荷主の確認を得られたか否か
  • (人身事故、物損事故、国土交通大臣への提出が必要な事故または著しい運行の遅延その他の異常な状態が発生した場合)その概要及び要因

記録方法は手書き・Excel・アプリいずれでも問題ありません。

国交省が提供する【記録様式例】を活用し、ドライバー負荷を最小化しながら確実に記録できる仕組みを整備しましょう。

事故の記録項目

貨物軽自動車運送事業者は、事故が発生した際には、事故の経緯と対応内容を記録し、3年間保存する必要があります。

  1. 乗務員等の氏名
  2. 事業用自動車の車両番号
  3. 事故の発生日時
  4. 事故の発生場所
  5. 事故の当事者(乗務員等を除く。)の氏名
  6. 事故の概要(損害の程度を含む。)
  7. 事故の原因
  8. 再発防止対策

こちらも国交省からは記録様式例が公開されているため、参考にしてみてください。

国土交通大臣への事故報告

2025年4月から始まる新制度では、業務記録だけでなく、事故発生時の迅速な報告が義務付けられます。特に人身事故など重大な事故が発生した際は、「所定の様式での報告」と「早急な連絡」の両方が必要です。

死傷者を生じた事故等、重大な事故が発生した場合、30日以内に所定の様式により運輸支局等を通じて国土交通大臣に報告しなければいけません。加えて、2人以上の死者を生じた事故等、重大な事故については、24時間以内においてできるだけ速やかに運輸支局等に速報しなければいけません。

自動車事故報告書の提出が求められる事故

2025年4月(令和7年4月)からは、一定の重大な事故について、「自動車事故報告書」の提出が義務化されます。

ここでは、貨物軽自動車運送事業者が対象となる主な報告対象の事故をわかりやすく整理します。

  • 自動車が転覆し、転落し、火災を起こし、又は鉄道車両と衝突し、若しくは接触したもの
  • 十台以上の自動車の衝突又は接触を生じたもの
  • 死者又は重傷者を生じたもの
  • 十人以上の負傷者を生じたもの
  • 自動車に積載された次に掲げるものの全部若しくは一部が飛散し、又は漏えいしたもの
    • 消防法第二条第七項に規定する危険物
    • 火薬類取締法第二条第一項に規定する火薬類
    • 高圧ガス保安法第二条に規定する高圧ガス
    • シアン化ナトリウム又は毒物及び劇物取締法施行令別表第二に掲げる毒物又は劇物
    • 道路運送車両の保安基準第四十七条第一項第三号に規定する品名の可燃物
  • 酒気帯び運転、無免許運転又は麻薬等運転を伴うもの
  • 運転者又は特定自動運行保安員の疾病により、事業用自動車の運行を継続することができなくなったもの
  • 救護義務違反があったもの
  • 自動車の装置の故障により、自動車が運行できなくなったもの
  • 車輪の脱落、被牽けん引自動車の分離を生じたもの
  • 橋脚、架線その他の鉄道施設を損傷し、三時間以上本線において鉄道車両の運転を休止させたもの
  • 高速自動車国道又は自動車専用道路において、三時間以上自動車の通行を禁止させ たもの
  • 前各号に掲げるもののほか、自動車事故の発生の防止を図るために国土交通大臣が特 に必要と認めて報告を指示したもの

※自動車事故報告規則第 2 条各号の事故であって、貨物軽自動車運送事業者に関わる主な事故

自動車事故報告書の書き方

主に以下の項目について、所定の様式により運輸支局等を通じて国土交通大臣に報告します。

報告を怠ったり、虚偽の内容を届け出た場合は、過料や罰金の対象となる可能性があります。安全管理者や事業者には、報告義務と責任が問われることになりますので、万が一の際は速やかに対応しましょう。

  • 自動車の使用者の氏名又は名称
  • 事故の発生日時
  • 事故の発生場所
  • 当時の状況
  • 当時の処置
  • 事故の原因
  • 再発防止対策

所定の様式は国土交通省のホームページに掲載されていますので、以下を参照してください。

国土交通省 国土交通大臣への事故報告の様式(提出先:営業所所在地の運輸支局)
https://www.mlit.go.jp/jidosha/jidosha_tk2_000172.html#jikohoukoku

貨物軽自動車の新制度に関わる罰則・監査

令2025年4月1日からスタートする新制度では、安全運転管理体制を整備しない事業者に対して罰則が科される可能性があります。

新制度に関わる罰則

重大な事故を引き起こしたときに、報告せず、又は虚偽の報告をした場合 5 0 万円以下の過料
貨物軽自動車安全管理者を選任する規定に違反した場合 100万円以下の罰金
貨物軽自動車安全管理者の選任若しくは解任に係る届出をせず、又は虚偽の届出をし た場合 100万円以下の罰金

貨物軽自動車に対する監査

国土交通省では、運送事業者の事故防止と適正な運行を徹底するため、運送事業者に対する監査を実施しています。

この監査で法令違反が見つかった場合には、以下のような行政処分が科されることがあります。

  • 文書による警告
    まずは違反の是正を促す形で通知が届くケースです。
  • 自動車の使用停止命令
    特定の車両を一定期間使えなくなる場合があります。
  • 事業停止命令
    重大な違反があった場合は、営業自体が一時的に停止される可能性も。

また、これらに加えて「改善命令」や「業務の見直し」を指導されることもあります。

国土交通省のホームページに処分基準の詳細が公表されています。具体的な基準は以下のホームページから確認できます。

国土交通省 行政処分の基準
https://www.mlit.go.jp/jidosha/anzen/03punishment/baseline.html

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MIMAMO DRIVE 資料紹介
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まとめ&チェックリスト

2025年4月から施行される貨物軽自動車運送事業者向け新制度では、「選任」「講習」「指導」「記録」「報告」の義務が課され、違反があった場合には罰則が科される可能性があります。

黒ナンバー軽貨物を運行するすべての事業者は、対象要件を正確に理解したうえで、安全運転管理者の選任・講習受講・運行記録整備を中心とした整備を行う必要があります。

最後に、新制度で確認すべき主な対応項目をチェックリスト形式でまとめました。
ぜひ、社内での確認にご活用ください。

【新制度対応チェックリスト】

  • 貨物軽自動車運送事業の黒ナンバー届出済みか
  • 営業所ごとに安全運転管理者を選任・講習受講・届出しているか
  • 運転者適正診断・指導体制を確立しているか
  • 業務記録(日報)・事故記録を整備し、運用開始しているか
  • 事故発生時の報告体制を整えているか

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