安全対策

事故を未然に防ぐ!ヒヤリハット報告書の書き方と実践的な活用方法

【Excel】ヒヤリハット報告書テンプレート

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ヒヤリハット報告書のExcelテンプレートです。
ヒヤリハット発生時の状況や原因を客観的に伝えられ、共有しやすいテンプレートとなっています。
また、ヒヤリハット報告を定着させるため、管理者によるフィードバック記入欄も設けられています。

※この記事は2025年03月01日時点の情報を基に執筆しています。 事故を未然に防ぐ!ヒヤリハット報告書の書き方と実践的な活用方法のサムネイル

事故を未然に防ぐためには、日々の安全管理と危険の兆候を見逃さないことが重要です。特に運送業や製造業などでは、些細な事故の未然防止が従業員の安全や事業運営に大きな影響を与えます。そのために欠かせないのが「ヒヤリハット報告書」です。ヒヤリハット報告書は、事故が起きかけた事例を記録し、再発防止に役立てるための重要なツールです。本記事では、ヒヤリハット報告書の書き方や例文、業界別の具体的な事例について詳しく解説し、安全管理を強化するための方法を紹介します。

ヒヤリハットとは?

ヒヤリハットとは、ヒヤッと・ハッとしたことが起きたものの、事故やトラブルに至らなかったもの、「もし事故が起きていたらどうなっていたか」と危機感を覚えるような事象のことを指します。

ヒヤリハットの重要性を裏付けるのに「ハインリッヒの法則」があります。

ハインリッヒの法則は「1件の重大事故の背後には29件の軽微な事故があり、さらにその背後には300件の異常が存在する」というもので、この300件の異常こそが「ヒヤリハット」です。

ハインリッヒの法則とは?ヒヤリハットの具体例と重大事故を防ぐ対策をわかりやすく解説
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ハインリッヒの法則は、労働災害における経験則の一つで、重大事故は突然起こるのではなく、軽微な事故やヒヤリハットの積み重ねで発生することを示しています。しかし、具体的にはどのように対策すれば良いのか分からない場合も多いのではないでしょうか。この記事では、ハインリッヒの法則についてヒヤリハットの事例とともにわかりやすく解説し、重大事故を防ぐための具体的な方法をご紹介します。

重大事故を未然に防ぐためにヒヤリハットを収集・分析し、適切な対策を取る必要があります。

そして、そのために欠かせないのがヒヤリハット発生時の状況と原因を共有するための「ヒヤリハット報告書」です。

ヒヤリハット報告書の目的

ヒヤリハット報告書の作成・提出は、法律で義務付けられているわけではありません。

ヒヤリハット報告書を作成する目的は、発生した危険な状況や対策を詳細に記録し、再発防止策を講じるためです。ヒヤリハット報告書を共有することで、従業員の安全意識が高まり、組織全体の安全管理体制の強化が期待できます。

また、ヒヤリハット報告書を作成することにより、発生時の状況や原因を客観的に伝えられたり、文書として残るため口頭での報告よりも共有しやすく、分析も行いやすくなるといった利点もあります。

ヒヤリハット報告書の書き方

ヒヤリハット報告書を書く際には、フォーマットに規則やルールはありませんが正確で具体的な内容が求められます。以下のポイントを押さえることで、効果的な報告書を作成できます。

報告書の基本構成

ヒヤリハット報告書の基本項目は以下のようなものを記載することが一般的です。

基本情報 記入者の名前や所属部署など
発生日時 事故が発生した日時を記載します。具体的な時間を記録することで、後の対応や再発防止策が取りやすくなります。
発生場所 ヒヤリハットが起こった場所を記録します。作業場所や車両、施設の特定が重要です。
発生した状況 どのような危険な状態が発生したのかを具体的に記述します。状況を明確にすることで、原因の特定や対策がしやすくなります。
原因 事故が起きなかった理由や、何が原因で危険な状況に至ったのかを分析します。
対策・改善策 同様の事例が再発しないように、どのような改善策を取るべきかを明記します。

ヒヤリハット報告書の書き方のポイント

ヒヤリハット報告書を書くときに以下の6つのポイントを意識して記載するとよいでしょう。

  • 発生後は速やかに報告
  • 5W1Hを意識してまとめる
  • 客観的な事実に基づいた情報を記載
  • 直接的・間接的な原因を考察する
  • 対策・改善策は具体的に提示
  • 専門用語はできるだけ避ける

具体例:転倒によるヒヤリハット報告書

以下に転倒事例をもとにしたヒヤリハット報告書の例を紹介します。

発生日時 2025年2月15日 10:00
発生場所 工場内、作業エリア前
発生状況 作業中、床に水滴が溜まっていたため、スタッフが転倒しそうになったが、幸い転倒は免れた。
原因 作業中に発生した水滴をそのまま放置していたことが原因。
対策 作業前に作業場所の点検を行い、水滴があれば速やかに処理する。スタッフに対して転倒防止のための教育を強化する。
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ヒヤリハット報告書を活用するためのポイント

ヒヤリハット報告書は単に書くだけでは意味がありません。ヒヤリハット報告書を社内ルールとして定着させ、どのように活用するかが、事故を未然に防ぐための鍵となります。

ここからはヒヤリハット報告を定着させるためのポイントを紹介していきます。

定期的なレビューとフィードバック

ヒヤリハット報告書を定期的にレビューし、どのような改善策が講じられたか、また新たな問題が浮き彫りになっていないかを確認します。現場で実際に行動に移すためには、上司や管理者がフィードバックを行い、改善策を徹底することが求められます。

また、上司や管理者はフィードバックを行うだけでなく率先してヒヤリハット報告をすることも重要です。上司が積極的にヒヤリハット報告を行うことで、従業員の報告に対する心理的ハードルを下げることが期待できます。

従業員の意識改革

ヒヤリハット報告書を活用して従業員の安全意識を高めることが重要です。報告書を提出した従業員には感謝の意を示す。または人事査定にプラス評価を与えるなどのインセンティブを設けることで従業員の安全意識が向上します。

安全管理システムの導入

企業全体でヒヤリハット報告書を効率的に管理するためには、安全管理システムの導入が効果的です。例えば、動態管理や車両管理システムを活用し、リアルタイムでヒヤリハットの情報を集約・分析することが可能になります。これにより、早期に問題を発見し、迅速に対応することができます。

ヒヤリハット報告書活用法の紹介

業界ごとにヒヤリハット報告書の書き方や活用方法は異なります。以下に、運送業のヒヤリハット報告書の具体的な活用法を紹介します。

運送業におけるヒヤリハット報告書

運送業では、車両の管理や運転中のヒヤリハット報告が重要です。例えば、トラックの車両運転中に「急ブレーキを踏んだ」「他の車両との接触寸前だった」などの事例を報告します。このような情報は、運転手への教育や車両の整備の改善に役立てることができます。

ヒヤリハット報告書作成時の注意点

ヒヤリハット報告書を作成する際には、以下の点に注意することが求められます。

具体的に記録すること

報告書に曖昧な情報を残さないようにし、詳細に記録することが重要です。

迅速に報告すること

ヒヤリハットが発生した際には、できるだけ早く報告することが求められます。時間が経過すると、状況が不明確になることがあります。

再発防止策の明確化

ヒヤリハット事例を単なる報告で終わらせず、具体的な再発防止策を明確に記載することが大切です。

ヒヤリハット報告すること自体に抵抗はなくても、ポイントを押さえて記載することが難しい、面倒で後回しになってしまうこともあります。そのようなケースを防ぐためにもヒヤリハット報告書のテンプレートを用意して、だれでも簡単に報告ができる体制づくりが大切です。

ヒヤリハット報告書のテンプレート

ダウンロードをすれば無料で使用できるテンプレートをご紹介します。

【Excel】安全管理を強化!簡単に作成できるヒヤリハット報告書テンプレートサムネイル

【Excel】安全管理を強化!簡単に作成できるヒヤリハット報告書テンプレート

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車両の安全対策には「MIMAMO DRIVE」がおすすめ

車両の安全対策において、ヒヤリハットを活用するためには、危険要因の明確化と従業員間での情報共有、安全管理のルール徹底が重要です。安全運転の促進と業務効率化には「MIMAMO DRIVE」のシステムが役立ちます。

このシステムでは、リアルタイムで車両の位置や運転状況を管理でき、急ブレーキや急カーブなど危険運転の発生も記録されるため、従業員に安全運転を指導する材料としても活用可能です。また、データを共有することで、組織全体で安全意識を高め、事故の防止につなげられます。

MIMAMO DRIVEとは

MIMAMO DRIVEとは東京海上スマートモビリティが提供する、車両管理・リアルタイム動態管理サービスです。シガーソケット型端末を車両に搭載するだけで、管理者は車両を一元管理できます。

MIMAMO DRIVEでは、日報の自動化に加えてアルコール検知器の測定結果の写真や数値も、日報と一緒に一元管理する機能を搭載しています。そのほか、リアルタイムでの走行状況をマップで確認できたり、走行距離を自動で記録できたりする便利な機能が多数あります。

「月報・日報を書く時間がない」
「紙媒体で管理していた煩雑な車両の使用状況を効率的に管理したい」
「事故のリスクを減らす効果的な方法が知りたい」

そんなお困りごとを、MIMAMO DRIVEなら解決できます。

ほかにも急ブレーキや急カーブなどの発生地点も確認できる機能があり、運転者に安全運転指導ができるので事故防止にもつながります。

東京海上グループは、お客様や地域社会の“いざ”をお支えするというパーパスを掲げ、100 年以上に わたり自動車保険をはじめとする様々な保険商品を提供してきました。MIMAMO DRIVEは東京海上グループが長年培ってきた安全に関するノウハウに基づき運転者の走行を数値化し、アドバイス。運転評価やランキング、運転性向上など、安全指導に活用できる機能を搭載しています。

車両の安全対策にMIMAMO DRIVEを導入するメリット

MIMAMO DRIVEは車両管理に関する重要な情報を一元管理できます。

  • アルコールチェックの測定結果と日報を一元化
  • ペーパーレス化により管理作業時間を短縮
  • リアルタイムで位置情報を可視化し、管理業務を効率化
  • 運転者の安全運転意識と運転マナーの向上
  • 全車両の車検や保険の更新漏れを防止

上記のメリットのほかに、MIMAMO DRIVEは、運転者がスマホから入力可能なところも運転者が漏れなく記録できるポイントです。例えば、スマホからなら直行直帰や出張などで営業所に立ち寄れない場合でも、アルコール検知器による測定結果をその場で日報にあげることができます。とくに遠隔の場合は、紙媒体だと車両に持ち込み忘れたり、紛失したりする恐れがあります。MIMAMO DRIVEなら、遠隔でも運転者が記入したかどうかを確認することができ、記録簿の紛失の心配もいりません。

導入事例

乳製品の卸売販売と小売店舗を営む永島牛乳店様の事例をご紹介します。永島牛乳店様では、取引先への商品の納品用に5台の社用車を保有しています。運転者の自損事故をきっかけにMIMAMO DRIVEを導入しました。

リアルタイムで車両の位置情報を把握できるため、運転者が出発後に追加注文が入った際にも、代わりに動きやすい運転者を見つけて効率よく指示出しができるようになりました。また、納品時間を気にされる取引先へのご案内もスムーズにできており、全体を通じて、管理者の負担削減につながっています。

ガソリンスタンドの運営と燃料の卸販売、ビルメンテナンス業を営む手塚商事様の事例をご紹介します。運転者の日報の手書きによる記載ミスが発生していました。MIMAMO DRIVEの導入により、日報の作成が自動化され毎日の作業時間を30~40分短縮できています。

また、車両管理も車検満了日などは管理表を作成し運用していましたが、台数が多く負担を感じていました。導入後はMIMAMO DRIVEで一元管理し、業務の効率化を実現しています。

MIMAMO DRIVE 資料紹介
MIMAMODRIVE資料のイメージ画像 MIMAMODRIVE資料のイメージ画像

MIMAMO DRIVEは社有車に関する “経営者” “車両管理者” “運転者”皆様のお困りごとを解決する、 車両管理・リアルタイム動態管理サービスです。サービスの概要や主な機能、活用事例を簡単にご紹介しています。サービスの導入をご検討されている皆様にぜひご覧いただきたい資料になります。

まとめ

ヒヤリハット報告書は、安全管理の一環として非常に重要な役割を果たします。事故の未然防止に繋がるだけでなく、従業員の安全意識を高め、企業全体の安全文化の向上に貢献します。報告書の書き方や例文を参考にし、業界ごとの特徴を踏まえてヒヤリハット報告書を活用しましょう。そして、適切に記録・分析し、改善策を講じることで、より安全な職場環境を作り上げることが大切です。

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