車両管理

車両管理責任者とは?安全運転管理者との違いや選任すべき理由・業務内容を解説

※この記事は2024年10月15日時点の法令を基に執筆しています。 車両管理責任者とは?安全運転管理者との違いや選任すべき理由・業務内容を解説のサムネイル

車両管理責任者とは、企業が使用する車両の運用・管理を行う責任者のこと。車両を安全に運行するための対策を考えて推進したりコストを削減したりと幅広い業務に携わります。本記事では、車両管理責任者の業務内容や安全運転管理者との違い、車両管理責任者の負担を軽減させるためのサービスを紹介しています。

車両管理責任者とは

車両管理責任者とは、企業が使用している車両の運用や管理を担当する役職のことです。車両管理責任者は、何か特別な資格を取得する必要はなく、法律上、選任が義務づけられているわけでもありません。

このように聞くと「そこまで重要な役職ではないのか」と誤解する人もいるかもしれませんが、車両管理責任者は、従業員に法令遵守や安全運転を根づかせる働きかけ、企業の車両に関連するコスト削減や事故防止、社用車の私的利用防止などとても重要な役割を担っています。

安全運転管理者とは

車両管理責任者と似た役職に「安全運転管理者」というものがあります。 安全運転管理者は、一定の台数以上の自家用自動車(白ナンバー(注1))を使用する事業所に設置が義務付けられている、安全に車両を運行するための必要な業務を行う責任者です。

注1:緑ナンバーの車両以外の、自家用自動車や社用車として利用される自動車に取り付けられる、白地に緑の文字のナンバープレートのことをいいます。

(安全運転管理者等)
第七十四条の三 第二項
安全運転管理者は、自動車の安全な運転を確保するために必要な当該使用者の業務に従事する運転者に対して行う交通安全教育その他自動車の安全な運転に必要な業務(自動車の装置の整備に関する業務を除く。第七十五条の二の二第一項において同じ。)で内閣府令で定めるものを行わなければならない。

引用:道路交通法第七十四条の三 第二項

安全運転管理者の業務内容は、運転者の運転前後のアルコールチェックや運転日誌の管理、運転者に対する安全運転教育の実施などです。
一定台数以上の自家用自動車を使用する事業所は、道路交通法第74条の3で安全運転管理者を選任することが義務づけられています。これを安全運転管理者制度といいます。
安全運転管理者は、安全運転確保に関する様々な措置や資料の管理、運転者への指示・指導を通して安全意識向上や交通事故を防ぐ役割を担っているのです。

安全運転管理者とは?選任が必要な場合と主な業務
関連コラム

安全運転管理者とは?選任が必要な場合と主な業務

安全運転管理者とは、一定台数以上の自家用自動車を使用する事業所において車が安全に使用されるために管理、指導する人を指します。この記事では、安全運転管理者の選任基準と主な業務、副安全運転管理者の必要性、選任手続きや罰則について詳しく解説。法定講習の重要性も紹介します。

車両管理責任者と安全運転管理者の違い

車両管理責任者と安全運転管理者は、どちらも車両を使用する企業にとって重要な存在ですが、選任するかどうかを法律で定められているか、いないかという大きな違いがあります。

車両管理責任者は、法律で定められた制度ではありません。また選任は企業の任意で行われます。担当する業務内容も企業ごとに自由に決めることができるのも特徴の1つと言えるでしょう。

対して安全運転管理者は、法律に基づいた制度で、一定台数以上の自家用自動車(白ナンバー)を使用する事業所は必ず選任する義務があります。
安全運転管理者になるには選任基準があり、誰でもなれる役職ではありません。
また業務内容が明確に定められていることも車両管理責任者との違いと言えるでしょう。

車両管理責任者と安全運転管理者の違い

車両管理責任者の主な業務内容

前章では、安全運転管理者の業務内容や車両管理責任者との違いについてご説明しました。
本章では、車両管理責任者がどのような業務を担当するのかをご紹介します。

下で説明する内容のイメージ画像

車両管理台帳や規程の管理

車両の状態や保険加入状況、使用状況を管理するための「車両管理台帳」の管理は車両管理責任者の大切な業務の1つです。

車両管理台帳には、車両の購入日や車種、登録番号、現在の車両の整備状況、保険の加入内容といった車両ごとのデータが記録されているのです。車両管理を徹底することによって従業員の事故防止と事故発生時のリスクを回避する目的があります。

車両の使用許可

車両管理責任者は、従業員が業務用車両を使用する際、その使用を許可する役割も担います。車両の利用を許可制にしておけば、従業員が車両をプライベートの場での使用を防ぐことができます。車両管理責任者は、従業員がどのような目的で車両を使用しようとしているのか、また行き先が適切であるかを確認した上で許可を出すことで不正な使用を防ぐことができます。

車両の定期点検・整備

車両の定期点検や整備の管理も車両管理責任者の役目です。
具体的には、先述した「車両管理台帳」に車両の登録情報や車検日、点検日などを記録し、管理します。

車両を使用する企業にとって最も重要なのは、従業員に安全に車両を運転させることです。正しく整備されていない車両を従業員が運転し、事故が発生すれば、企業は賠償責任を負うだけでなく、道路交通法にも違反することとなります。そうなれば、会社の信用は大きく損なわれてしまうでしょう。
そのような事態を防ぐためにも車両の整備や点検を定期的に実施することが非常に重要です。

コスト管理

車両のコスト管理も車両管理責任者の重要な業務の一部です。
具体的には、アイドリング時間や給油状況、無駄な走行ルートをチェックし、車両コストに関する問題点を見つけ出します。そして、従業員に対して低燃費運転を指導し、燃料費の削減を目指すのです。
また、車両管理台帳を管理することで、保険料や車検などの維持費を把握することも役割の1つです。コストが高くなった場合には、整備工場や保険会社を切り替えるなどの判断を行うこともあります。

法令遵守・安全運転の推進

法令の遵守と安全運転の推進は、車両を使用する企業にとって最も基本的で重要な課題です。 具体的には社内講習などを実施することで、社内全体に法令遵守や安全運転の意識を根付かせる働きかけを行います。
また、運転者に対して定期的に健康診断や安全運転講習が行われているか確認することもあります。

安全運転管理者の業務確認

冒頭で車両管理責任者と似た役職として安全運転管理者を紹介しました。車両管理責任者の業務の中には、安全運転管理者の業務に漏れがないかの確認も含まれるのです。
このように業務漏れがないよう複数人が確認することで、安全に業務を進めることができます。

車両管理責任者の重要性。選任した方が良い理由とは

車両管理責任者は、安全運転管理者のように法律で必ず選任しなければならない役職ではありません。車両管理責任者を選任するかは企業の判断に委ねられています。
そのため、企業によっては車両管理責任者を設置せず、安全運転管理者がその役割を担っている場合もあります。
しかし、車両管理責任者の業務は多岐に渡る上に責任が重いものも多く、安全運転管理者が兼任すると心身ともに大きな負担となることも想定されます。

車両管理責任者は、法令遵守や安全運転の促進といった、企業が社会から信頼されるために欠かせない役割を果たします。また、従業員が社用車を私的に使用することを防いだり、不必要なコストを削減したりすることで、企業の長期的な成長にもつながっていきます。

このように業務範囲が広いため、法律での義務づけはされていないものの、選任することが企業にとって望ましい選択と言えるでしょう。

MIMAMO DRIVEで車両管理業務を効率化!

MIMAMO DRIVEとは

MIMAMO DRIVEとは東京海上スマートモビリティが提供する、車両管理・リアルタイム動態管理サービスです。シガーソケット型端末を車両に搭載するだけで、管理者は車両を一元管理できます。

MIMAMO DRIVEでは、日報の自動化に加えてアルコール検知器の測定結果の写真や数値も、日報と一緒に一元管理する機能を搭載しています。そのほか、リアルタイムでの走行状況をマップで確認できたり、走行距離を自動で記録できたりする便利な機能が多数あります。

「月報・日報を書く時間がない」
「紙媒体で管理していた煩雑な車両の使用状況を効率的に管理したい」
「事故のリスクを減らす効果的な方法が知りたい」

そんなお困りごとを、MIMAMO DRIVEなら解決できます。

ほかにも急ブレーキや急カーブなどの発生地点も確認できる機能があり、運転者に安全運転指導ができるので事故防止にもつながります。

東京海上グループは、お客様や地域社会の“いざ”をお支えするというパーパスを掲げ、100 年以上に わたり自動車保険をはじめとする様々な保険商品を提供してきました。
MIMAMO DRIVEは東京海上グループが長年培ってきた安全に関するノウハウに基づき運転者の走行を数値化し、アドバイス。運転評価やランキング、運転性向上など、安全指導に活用できる機能を搭載しています。

車両管理にMIMAMO DRIVEを導入するメリット

MIMAMO DRIVEは車両管理に関する重要な情報を一元管理できます。

  • アルコールチェックの測定結果と日報を一元化
  • ペーパーレス化により管理作業時間を短縮
  • リアルタイムで位置情報を可視化し、管理業務を効率化
  • 運転者の安全運転意識と運転マナーの向上
  • 全車両の車検や保険の更新漏れを防止

上記のメリットのほかに、MIMAMO DRIVEは、運転者がスマホから入力可能なところも運転者が漏れなく記録できるポイントです。例えば、スマホからなら直行直帰や出張などで営業所に立ち寄れない場合でも、アルコール検知器による測定結果をその場で日報にあげることができます。とくに遠隔の場合は、紙媒体だと車両に持ち込み忘れたり、紛失したりする恐れがあります。MIMAMO DRIVEなら、遠隔でも運転者が記入したかどうかを確認することができ、記録簿の紛失の心配もいりません。

導入事例

乳製品の卸売販売と小売店舗を営む永島牛乳店様の事例をご紹介します。永島牛乳店様では、取引先への商品の納品用に5台の社用車を所有しています。運転者の自損事故をきっかけにMIMAMO DRIVEを導入しました。

リアルタイムで車両の位置情報を把握できるため、運転者が出発後に追加注文が入った際にも、代わりに動きやすい運転者を見つけて効率よく指示出しができるようになりました。また、納品時間を気にされる取引先へのご案内もスムーズにできており、全体を通じて、管理者の負担削減につながっています。

ガソリンスタンドの運営と燃料の卸販売、ビルメンテナンス業を営む手塚商事様の事例をご紹介します。運転者の日報の手書きによる記載ミスが発生していました。MIMAMO DRIVEの導入により、日報の作成が自動化され毎日の作業時間を30〜40分短縮できています。

また、車両管理も車検満了日などは管理表を作成し運用していましたが、台数が多く負担を感じていました。導入後はMIMAMO DRIVEで一元管理し、業務の効率化を実現しています。

MIMAMO DRIVE 資料紹介
MIMAMODRIVE資料のイメージ画像 MIMAMODRIVE資料のイメージ画像

MIMAMO DRIVEは社有車に関する “経営者” “車両管理者” “運転者”皆様のお困りごとを解決する、 車両管理・リアルタイム動態管理サービスです。サービスの概要や主な機能、活用事例を簡単にご紹介しています。サービスの導入をご検討されている皆様にぜひご覧いただきたい資料になります。

まとめ

今回は、車両管理責任者の概要や業務内容、安全運転管理者との違いについてお話ししました。

従業員の安全意識の向上やコスト管理をするために、車両管理責任者を選任することをおすすめします。
法的に安全運転管理者の選任義務がない企業では、社内で安全意識を根づかせる中心的な存在がいない場合があるかもしれません。安全運転は車両を使用する企業にとって基本であり、最も大切なことです。心当たりのある企業は、特に車両管理責任者の設置をご検討ください。

車両管理責任者の業務は幅広く、担当者の負担が大きくなってしまう可能性もあります。そういった事態を未然に防ぐために、今回ご紹介した車両管理・リアルタイム動態管理サービス「MIMAMO DRIVE」をはじめ、従業員の負担を軽減させるシステムの導入を検討してください。