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【令和6年】安全運転管理者等講習の概要を解説!日程・費用から流れ・注意点まで

※この記事は2024年11月28日時点の法令を基に執筆しています。 【令和6年】安全運転管理者等講習の概要を解説!日程・費用から流れ・注意点までのサムネイル

安全運転管理者等講習は、事業所の安全運転管理体制を強化するために必要な法定講習です。一定台数以上の自動車を使用する事業所では、安全運転管理者・副安全運転管理者の選任と講習の受講が道路交通法で義務付けられています。

令和4年の法改正で安全運転管理者の選任義務のある事業所でのアルコールチェックが義務化されるなど、交通安全への取り組みが一層求められる中、本記事では安全運転管理者等講習の内容や対象者、手数料や必要な持ち物、都道府県別の日程情報、受講時の注意点まで詳しく解説します。安全運転管理者の運転指導を効率化できる車両管理システム「MIMAMO DRIVE」も紹介していますので、ぜひ最後までご覧ください。

安全運転管理者等講習とは?

安全運転管理者等講習とは、一定台数以上の自動車を使用する事業所が自動車の安全管理を徹底するために、道路交通法に基づいて公安委員会が行う講習です。受講を通じて、最新の法令や安全運転に関する知識を学び、安全運転の確保と事故防止を目指します。

安全運転管理者等が受ける法定講習のこと

事業所が選任した安全運転管理者および副安全運転管理者は、安全管理者等講習を受ける義務があります。選任された管理者は、毎年この講習を受講しなくてはなりません。講習の開催日時と場所は都道府県によって異なり、事業所近くの警察署交通総務係や安全運転管理者連合会などのHPより確認できます。

そもそも「安全運転管理者」とは

安全運転管理者とは、一定台数以上の自動車を使用する事業所において、従業員の安全運転を管理するために選任が義務付けられている役職です。この役割は、交通事故防止や安全運転の促進を目的としています。

主な業務内容には、車両の運行管理、従業員への安全運転指導、そしてアルコールチェックの実施が含まれます。また、安全運転管理者に選任されるためには、一定の実務経験や資格を満たす必要があります。安全運転管理者については下記のコラムに詳しく解説しておりますのでご覧ください。

安全運転管理者とは?選任が必要な場合と主な業務
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安全運転管理者とは?選任が必要な場合と主な業務

安全運転管理者とは、一定台数以上の自家用自動車を使用する事業所において車が安全に使用されるために管理、指導する人を指します。この記事では、安全運転管理者の選任基準と主な業務、副安全運転管理者の必要性、選任手続きや罰則について詳しく解説。法定講習の重要性も紹介します。

安全運転管理者等講習の概要

安全運転管理者等講習の案内は、公安委員会より安全運転管理者・副安全運転管理者あてに法定講習通知書などが届きます。講習通知書が届いたら、講習日程等を確認の上、記載されている指定期日までに手数料を納付します。令和6年度の講習は「オンライン講習」と「会場講習」のどちらかを選択でき、手数料の金額が異なる場合があるので、よく確認した上で支払い忘れがないようにしましょう。

警察庁では、指定された日時にインターネット上に配信される講義映像をライブで視聴する方法のオンライン講習が推奨されています。オンラインで受講する場合は、パソコンなどの視聴環境を確認しておきましょう。この章では、講習の対象者、内容、手数料や持ち物、令和6年度の開催日程について解説します。

対象者

安全運転管理者等講習は、安全運転管理者として選任された方が対象です。これは、一定台数以上の自動車を使用する事業所に適用される道路交通法の規定に基づきます。また、事業所の規模や使用車両の台数により、副安全運転管理者を選任している場合は副安全運転管理者も受講対象となります。それぞれ、開催日程や受講料が異なる場合もあるので注意しましょう。

また、選任された管理者自身が受講する必要があるため、安全運転管理者及び副安全運転管理者が交代している場合は事前に管轄の警察署で交代の手続きが必要です。選任された者は、毎年この講習を受講する義務があるため、必ず受講しましょう。

万が一、年間を通して講習を受講できなかった場合、直接的な罰則等はありませんが、都道府県によっては、未受講事業者における安全運転管理体制等を確認するため、年度末に未受講事業者に対する特別診断が実施され、自社の安全運転管理に関しての質問を受けたり、必要書類や車両管理関係資料の提出等を求められたりすることがあります。

講習内容

安全運転管理者等講習では、安全運転に必要な知識や交通事故防止のポイント、最新の法改正に関する情報を学びます。具体的には、最新の道路交通法の規定や罰則、交通事故防止に役立つ日常点検の重要性、運転時の注意点などが取り上げられます。また、安全運転管理者等としての基本的な役割や業務内容、運転者のアルコールチェックや健康管理など、交通安全に関わるリスクマネジメントについても詳しく学べます。

手数料・持ち物

安全運転管理者講習の受講には、以下の手数料と持ち物が必要です。事前に準備し、忘れ物がないよう注意しましょう。

◾️手数料(※2024年11月現在)

  • 安全運転管理者:4,500円(非課税)
  • 副安全運転管理者:3,000円(非課税)

手数料は事前に通知書とともに送付される納付書を使用して支払います。

◾️持ち物一覧

講習通知書 受講対象者に事前に送付されるもの。受付時に必要。
受講申出書 手数料支払い後に発行された領収書を受講申出書に貼り付け持参。
身分証明書 運転免許証、マイナンバーカード、社員証、安全運転管理者証など。
筆記用具・メモ帳 講習内容を記録するための道具。
飲料水 長時間の講習に備え、水分補給用。

※一部地域では、安全運転管理者証の提示が不要となっています。必要の有無については、講習通知書で事前に確認してください。

持ち物が不足している場合、受講が認められないことがあります。

オンライン受講を選択した際は、事前のシステム確認や手数料支払いが必要です。

【令和6年度】都道府県別の開催日程

令和6年度に開催する安全運転管理者講習の日程を各都道府県別に下記の表にまとめています。具体的な日程は、通知書のほか事業所の所在地の管轄警察署のホームページや交通安全協会、安全運転管理者連合会で確認可能です。

2024年11月時点

北海道 ・東北 北海道、青森県、岩手県、宮城県、秋田県、山形県、福島県
関東・甲信越 東京都、神奈川県、千葉県、埼玉県、茨城県、栃木県、群馬県、山梨県、長野県、新潟県
北陸 富山県、石川県、福井県
中部 岐阜県、静岡県、愛知県、三重県
近畿 滋賀県、京都府、大阪府、兵庫県、奈良県、和歌山県
中国 鳥取県、島根県、岡山県、広島県、山口県
四国 徳島県、香川県、愛媛県、高知県
九州・沖縄 福岡県、佐賀県、長崎県、熊本県、大分県、宮崎県、鹿児島県、沖縄県

安全運転管理者と副安全運転管理者、および会場講習とオンライン講習で日程が異なる場合があるため、必ず確認しましょう。

講習受講までの流れ

安全運転管理者講習を受講するには、いくつかのステップを踏む必要があります。この章では、具体的な手順をわかりやすく説明します。

1.安全運転管理者等を選任する

まず、事業所で安全運転管理者または副安全運転管理者を選任する必要があります。安全運転管理者の選任が必要かどうかは、事業所で使用する自家用自動車(白ナンバー(注1))の台数や種類によって決まります。自動車の使用者(事業主)は、道路交通法施行規則第9条の8に基づき、以下の条件に該当する事業所において、安全運転管理者の選任が必要です。この選任は、一定台数以上の車両を使用する事業所に義務付けられており、選任された管理者が講習を受講します。適切な選任を行うことで、事業所全体の交通安全体制が強化されます。

注1:緑ナンバーの車両以外の、自家用車や社用車として利用される自動車に取り付けられる、白地に緑の文字のナンバープレートのこと。なお、黄色ナンバーの軽自動車もここでいう白ナンバーに含まれます。

2.安全運転管理者選任の届出をする

次に、安全運転管理者を選任した後は、所轄の警察署に選任届出書を提出します。この届出は選任した日から15日以内に行うことが法律で義務付けられており、事業所の安全管理体制を公的に認めてもらう重要なステップです。届出の際には、必要書類や管理者の資格要件を確認しておきましょう。

3.講習受講通知書や申請書、手数料の納付書が届く

届出が完了すると、後日、講習受講通知書や申請書、手数料の納付書等が送付されます。この通知書には、講習の日程や会場が記載されているため、受講スケジュールを確認し、事前準備を進めます。

講習日はオンライン講習と会議講習で異なる場合もあります。また、安全運転管理者と副安全運転管理者の講習日程も異なる場合があるので注意しましょう。

4.申請書を記載し、手数料を納付する

通知書に同封されている申請書に必要事項を記入し、指定された方法で手数料を期日内に納付します。手数料は2024年4月時点で、安全運転管理者が4,500円、副安全運転管理者が3,500円です。納付後は、領収書を保管し、受講当日に持参します。

また、講習手数料は講習会場で納付できないため、必ず事前に納付しておきましょう。

5.受講する

最後に、指定された日程で講習を受講します。受講の際は、講習通知書、領収書付き受講申出書、本人確認書類を持参してください。講習開始時間に遅れると受講できない場合もあるので、駐車場の有無や交通経路をあらかじめ確認の上、時間に余裕を持って向かいましょう。

受講する際に知っておきたい注意点

安全運転管理者等講習を円滑に受講するためには、事前に注意点を把握しておくことが重要です。この章では、受講者が特に気をつけるべきポイントを解説します。

途中退席した場合は再受講する必要がある

道路交通法施行規則では、安全運転管理者講習は6時間以上10時間以下、副安全運転管理者講習は4時間以上8時間以下と定められています。※都道府県によっては安全運転管理者と副安全運転管理者を分けずに同日に同じ時間で行う場合もあります。

講習は全講義を受講することが義務付けられています。途中退席や中抜けをすると、講習を修了したとは認められず再受講が必要となり、講習手数料は還付されません。そのため、講習のスケジュールは事前に確認し、余裕を持って受講することが大切です。また、講習中は遅刻や早退も厳しく制限されているため、時間厳守で行動するよう心がけましょう。

本人確認できない場合は受講できない

講習当日は、本人確認書類の提示が求められます。本人確認書類として有効なものには、運転免許証、マイナンバーカード、または安全運転管理者証などがあります。本人確認書類の持参を忘れたことで本人であることを確認できない場合は、講習を受講することができません。その結果、再度スケジュールを調整して別日で受講する必要が生じるため、通知書に記載されている必要書類を確認し、忘れ物がないように注意しましょう。

安全運転管理者講習を受講しなかった場合、罰則はあるの?

安全運転管理者講習は法律で定められた義務ですが、2024年11月時点では受講しなかった場合の罰則は定められていません。しかし、基準台数以上の自動車を使用しているにも関わらず、安全運転管理者および副安全運転管理者を選任しない場合は、道路交通法に基づき、50万円以下の罰金を科せられる可能性があります。

また、安全運転管理者は、運転者に対する指導をする役割を担っているため、正しい道路交通法や交通事故の事例を学ぶ必要があります。講習では最新の法改正内容や交通事故の事例などが反映されています。正しい情報を知らないまま、法令遵守できていなかった場合には、事業所に対して罰則や処分の対象となる可能性もあるため、安全運転管理者講習を必ず受講して、運転者の安全運転指導に役立てましょう。

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MIMAMO DRIVEとは

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「月報・日報を書く時間がない」
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MIMAMO DRIVEを導入するメリット

MIMAMO DRIVEは車両管理に関する重要な情報を一元管理できます。

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導入事例

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リアルタイムで車両の位置情報を把握できるため、運転者が出発後に追加注文が入った際にも、代わりに動きやすい運転者を見つけて効率よく指示出しができるようになりました。また、納品時間を気にされる取引先へのご案内もスムーズにできており、全体を通じて、管理者の負担削減につながっています。

ガソリンスタンドの運営と燃料の卸販売、ビルメンテナンス業を営む手塚商事様の事例をご紹介します。運転者の日報の手書きによる記載ミスが発生していました。MIMAMO DRIVEの導入により、日報の作成が自動化され毎日の作業時間を30~40分短縮できています。

また、車両管理も車検満了日などは管理表を作成し運用していましたが、台数が多く負担を感じていました。導入後はMIMAMO DRIVEで一元管理し、業務の効率化を実現しています。

MIMAMO DRIVE 資料紹介
MIMAMODRIVE資料のイメージ画像 MIMAMODRIVE資料のイメージ画像

MIMAMO DRIVEは社有車に関する “経営者” “車両管理者” “運転者”皆様のお困りごとを解決する、 車両管理・リアルタイム動態管理サービスです。サービスの概要や主な機能、活用事例を簡単にご紹介しています。サービスの導入をご検討されている皆様にぜひご覧いただきたい資料になります。

まとめ

安全運転管理者等講習は、安全運転管理者・副安全運転管理者としての業務を遂行する上で欠かせない重要な法定講習です。本記事では、講習の概要から対象者、受講までの流れ、注意点や罰則までを詳しく解説しました。講習を受講することで、事業所全体の安全運転体制が強化され、法令遵守を徹底することができます。安全運転管理者等講習を正しく理解し、適切に受講することが、事故防止や事業の信頼性向上につながります。

安全運転管理者は講習を受講するだけではなく、日々の安全運転指導が重要です。しかし、安全運転管理者が運転者の運転性向などをすべて把握することは難しいでしょう。そのため、車両や運転者のリアルタイムで動態管理ができるMIMAMO DRIVEなどの車両管理システムを導入して、効果的に安全運転指導を行うことがおすすめです。