1. OBD車検とは?
そもそもOBDとは何なのかという疑問をお持ちの方もおられるでしょう。OBD(On-Board Diagnostics)とは、車載型故障診断装置を指します。専用の診断機器を接続することで、車両各部の故障や不具合の有無を効率的に確認することが可能です。
この仕組みは、自動車の適切なメンテナンスや安全性の向上に寄与しています。
そしてOBD車検(OBD検査)は、車検時に車両の故障や不具合をOBDを使って診断して、問題がないかどうかを確認するものです。本検査を行うことで自動運転技術などに用いられる電子制御装置が適切に機能しているかを調べることができます。
近年、自動運転技術や先進的な安全装置が普及する中で、これらが正しく作動するためには、定期的な検査が不可欠であり、一定の条件を満たす車両に対して法的に義務づけられています。
OBD車検が導入された背景
OBD車検を行う目的は、自動車に内蔵されたコンピューターシステムが正常に作動しているかを検査し、誤作動による事故やトラブルを未然に防ぐことです。
近年、自動ブレーキや駐車支援システムなどの自動運転技術や運転支援技術の開発が進む一方で「経年劣化による誤作動のリスク」や「正しく機能するのか」という懸念が存在します。
また、現行の道路運送車両法では、公道を走行する車両に定期的な自動車検査(車検)が義務づけられているものの、コンピューターシステムに関連する検査項目は設けられていません。そのため、システムに異常があった場合でも車検に合格し、公道を走行できる状況が生じていました。この問題を解消するために導入が進められているのがOBD車検です。
現状では、各車両に搭載されている「警告ランプ」でしか不具合を検知できません。しかし、警告ランプ自体が故障している場合、整備士などの専門家であっても不具合を見つけることは困難です。このため、OBD車検による精緻なメンテナンスの実施が期待されています。
OBD車検の仕組み
OBD車検では、従来の警告ランプでは検知が難しい車両の故障や不具合を、車載コンピューターを活用して検出します。OBDには故障コード(DTC)が蓄積されており、法定スキャンツール(外部故障診断機)を使用してコードを読み取ることで、故障の状態や修理の必要性を自動的に把握できる仕組みです。
さらに、取得した情報は端末から自動車技術総合機構が運営するサーバーに送信され「特定DTC」の有無を確認したうえで、検査の合否結果が端末へ返されます。この一連の流れにより、車両の状態を正確かつ効率的に判断できるようになります。