1. 駐車違反とは
駐車違反には、「駐停車違反」と「放置駐車違反」の2種類があります。両者は道路交通法によって明確に区分されており、それぞれ異なる対応が必要です。
ここからは、駐車違反の定義や「駐停車違反」「放置駐車違反」とみなされるケースについて解説します。
駐車違反の定義
道路交通法では、駐車違反について明確な定義がなされています。「駐停車違反」は道路交通法第51条において、駐車や停車が禁止されている場所での車両の停止行為として規定されています。
(違法駐車に対する措置)
第五十一条 車両が第四十四条第一項、第四十五条第一項若しくは第二項、第四十七条第二項若しくは第三項、第四十八条、第四十九条の三第二項若しくは第三項、第四十九条の四若しくは第四十九条の五後段の規定に違反して駐車していると認められるとき、又は第四十九条第一項のパーキング・チケット発給設備を設置する時間制限駐車区間において駐車している場合において当該車両に当該パーキング・チケット発給設備により発給を受けたパーキング・チケットが掲示されておらず、かつ、第四十九条の三第四項の規定に違反していると認められるとき(第五十一条の四第一項及び第七十五条の二十二第三項において「違法駐車と認められる場合」と総称する。)は、警察官等は、当該車両の運転者その他当該車両の管理について責任がある者(以下この条において「運転者等」という。)に対し、当該車両の駐車の方法を変更し、若しくは当該車両を当該駐車が禁止されている場所から移動すべきこと又は当該車両を当該時間制限駐車区間の当該車両が駐車している場所から移動すべきことを命ずることができる。
一方、「放置駐車違反」は道路交通法第51条の4で定められており、違反車両の使用者に対して放置違反金の納付を命じる制度として運用されています。
(放置違反金)
第五十一条の四 警察署長は、警察官等に、違法駐車と認められる場合における車両(軽車両にあつては、牽引されるための構造及び装置を有し、かつ、車両総重量(道路運送車両法第四十条第三号の車両総重量をいう。)が七百五十キログラムを超えるもの(以下「重被牽引車」という。)に限る。以下この条において同じ。)であつて、その運転者がこれを離れて直ちに運転することができない状態にあるもの(以下「放置車両」という。)の確認をさせ、内閣府令で定めるところにより、当該確認をした旨及び当該車両に係る違法駐車行為(違法駐車と認められる場合に係る車両の運転者の行為をいう。第四項及び第十六項において同じ。)をした者について第四項ただし書に規定する場合に該当しないときは同項本文の規定により当該車両の使用者が放置違反金の納付を命ぜられることがある旨を告知する標章を当該車両の見やすい箇所に取り付けさせることができる。
両者の最も大きな違いは、運転者の所在です。駐停車違反は運転者が車内にいる・いないにかかわらず成立しますが、放置駐車違反は運転者が車両から離れ、直ちに車両を移動できない状態の場合に適用されます。運転者が不在のため、車両に確認標章が貼られ、後日の対応が求められます。
なお、すぐに車を動かせない分、駐車違反のほうが罰則が重いです。
駐車違反になるケース
「駐停車違反」や「放置駐車違反」とみなされる場合の具体例をそれぞれ解説します。
駐停車違反の具体例
駐停車違反は、運転者が車内にいても成立する違反です。駐車禁止の標識がある場所で5分以上停車した場合や、時間制限のある駐車可能場所で制限時間を超えて駐車した場合が該当します。
重要なのは、「駐車」の定義です。道路交通法上、車両を5分以上停止させること及び運転者が停止した車両を離れて直ちに運転できないことを「駐車」と定めています。そのため、コンビニでの買い物などすぐに戻るつもりでも、停車時間が5分を超えれば駐車違反とみなされるのです。ただし、すぐに運転できる状態かつ5分以内であれば駐車違反には該当しないため、短時間の荷物の積み下ろしや人の乗り降りなどで停車することができます。
その際には、「駐停車禁止」の標識があるかどうか確認することが重要です。「駐停車禁止」の標識のある場所では一時的な停車も禁止されているため、短時間の荷物の積み下ろしや人の乗り降りであっても違反となる可能性があります。
放置駐車違反の具体例
放置駐車違反は、運転者が車両から離れることで発生する違反です。短時間の用事であっても、駐車禁止場所に車を止めて運転席を離れれば、違反とみなされるおそれがあります。また、駐車可能場所の制限時間を超過して停車し、運転者が車から離れてしまった場合も放置駐車違反に該当します。
注目すべきは、停車時間の長短やハザードランプ点灯の有無、運転者が離れた距離は関係ない点です。エンジンをかけたままでも、運転者が車を離れた時点で放置駐車違反とみなされる可能性があります。コンビニや取引先へのちょっとした用事であっても、違反として扱われ得るため、十分な注意が必要です。
2. 社用車の駐車違反における違反点数と反則金
社用車の運転者として知っておくべき重要な情報の一つが、駐車違反における違反点数と反則金の詳細です。まず、交通違反の罰則は主に3種類あります。刑事罰としての「罰金」、比較的軽微な違反に対する行政罰である「反則金」、そして運転者が出頭しない際に車両登録上の使用者に請求される「放置違反金」です。駐車違反は、どの反則金の対象にもなり得ます。
交通反則通告制度は、比較的軽微な交通違反を刑事罰ではなく、行政上の措置として処理する仕組みです。運転者は反則金を納付することで裁判を回避でき、行政側も迅速な処理ができます。ここからは、具体的な違反点数と反則金の内訳を解説します。
駐停車違反の場合
まず、駐停車違反の違反点数と反則金は、以下のとおりです。
違反場所が駐車禁止場所の場合
| 車種 | 反則金 | 違反点数 |
|---|---|---|
| 大型車 | 12,000円 | 1点 |
| 普通車 | 10,000円 | 1点 |
| 二輪車・原付 | 6,000円 | 1点 |
違反場所が駐停車禁止場所の場合
| 車種 | 反則金 | 違反点数 |
|---|---|---|
| 大型車 | 15,000円 | 2点 |
| 普通車 | 12,000円 | 2点 |
| 二輪車・原付 | 7,000円 | 2点 |
参考:反則行為の種別及び反則金一覧表
参考:交通違反の点数一覧表
駐停車違反における違反点数と反則金は、違反場所と車種によって異なります。駐車禁止場所より駐停車禁止場所の方が反則金は高額で、違反点数も多いです。これは、駐停車禁止場所では一時的な停車さえも禁止されているため、より違法性が高いと判断されるためです。
放置駐車違反の場合
放置駐車違反の違反点数と反則金は、以下のとおりです。
違反場所が駐車禁止場所の場合
| 車種 | 反則金 | 違反点数 |
|---|---|---|
| 大型車 | 21,000円 | 2点 |
| 普通車 | 15,000円 | 2点 |
| 二輪車・原付 | 9,000円 | 2点 |
違反場所が駐停車禁止場所の場合
| 車種 | 反則金 | 違反点数 |
|---|---|---|
| 大型車 | 25,000円 | 3点 |
| 普通車 | 18,000円 | 3点 |
| 二輪車・原付 | 10,000円 | 3点 |
参考:反則行為の種別及び反則金一覧表
参考:交通違反の点数一覧表
放置駐車違反は、同じ場所での駐停車違反と比べて反則金が高額になり、違反点数も増加します。運転者が車両から離れている状態の方が、交通の妨害度が高いからです。
また、車種によっても反則金が変わります。大型車は交通への影響が大きいため最も高額となり、二輪車・原付は比較的影響が小さいことから低額に設定されています。