運行計画書は、運転者が効率的かつ安全に運行業務を遂行するために、運行管理者等が作成する文書です。計画書には、運行経路、運行時間、休憩箇所、危険地点、車両の使用状況などが含まれ、業務の効率化と安全性を確保するための重要なツールとなります。
この記事では、運行計画書の概要や目的、作成時の注意点、具体的な事例とテンプレートを紹介します。また、運行管理の効率化に役立つ最新ツールも取り上げます。運行計画書を活用することで、企業の安全性を高めながら業務の効率化を図る方法を学びましょう。
運行計画書とは?
タクシーやトラックなどの緑ナンバー車両(注1)や営業車などの白ナンバー車両(注2)を使用する企業にとって、運行計画書を作成することで運転者が効率的かつ安全に運行業務を遂行できるようにすることは重要です。
注1:運送業許可を取得した事業者に交付され、運送業に使用する営業車両に取り付けられる、緑地に白い文字のナンバープレートのこと。
注2:緑ナンバーの車両以外の、自家用車や社用車として利用される自動車に取り付けられる、白地に緑の文字のナンバープレートのこと。なお、黄色ナンバーの軽自動車もここでいう白ナンバーに含まれます。
運行計画書は、運転者が効率的かつ安全に運行業務を遂行するために、運行管理者が作成する文書です。この計画書には、運行経路、運行時間、休憩箇所、危険地点、車両の使用状況などが含まれます。
特に、長距離の運行では、運転者の疲労を防ぎ、無理なく業務を遂行するために、詳細な計画が必要です。また、計画書は法令に基づく適切な運行を確保し、トラブルを未然に防ぐためにも重要です。
運行計画書を作成する目的
運行計画書の目的は、運転者の安全を確保することと、業務効率を向上させることです。運行計画書は、無駄な走行や過度な負担を防ぎ、運行の流れをスムーズにします。また、労働基準法や自動車運送事業に係る法令に基づき、運転者の運転時間や休憩時間を適切に管理することが求められます。
例えば、国土交通省・厚生労働省による「自動車運送事業における乗務時間等の基準」では、連続運転時間は原則4時間を超えてはならないと規定されています。このような基準に従い、適切な休憩時間を確保しなければなりません。また、運行計画書を作成することで、運行管理者は運転者の安全を確保し、事故やトラブルを防止することにつながります。
「運行指示書」「運転日報」との違い
運行計画書は他の関連書類とは異なる役割を持っています。特に、運行指示書や運転日報とは目的が異なるため、それぞれの書類を正しく使い分けることが重要です。

運行指示書とは
運行指示書は、運行管理者が運転者に対して具体的な運行内容を指示するための書類です。運行計画書は日々の業務で利用するため、毎日作成するものですが、運行指示書は基本的に2泊3日以上の運行を行うときに作成する書類となります。
運転日報とは
運転日報は、運行が終了した後に運転者が提出する報告書です。この日報には、実際に運行した経路、運行時間、発生したトラブルなどが記録されます。
運行計画書や運行指示書が事前の計画や指示に基づくものであるのに対して、運転日報は運行後の実績を記録するためのものです。
運行計画書の作成で知っておきたいポイント【テンプレート有】
運行計画書を効果的に作成するためには、いくつかの重要なポイントを押さえておくことが大切です。以下に、その具体的な手順と注意点を解説します。

あらかじめ運行経路を決めておく
運行計画書を作成する際、最初に決定すべきは運行経路です。経路の選定は、運行の効率性と安全性に大きく影響します。渋滞や道路工事、トラック通行禁止の道路など、ルート選定には様々な要素を考慮する必要があります。
事前に道路交通情報を確認し、渋滞回避ルートを導入することで、時間や燃費コストを削減することが可能になります。また、事故多発地域を避けるように経路を設定し、運行リスクを低減することも効果的です。経路をあらかじめ詳細に計画することは、運転者の安全運転をサポートするだけでなく、会社の効率化にも大きく貢献します。
ルート上の危険箇所や休憩箇所を確認する
特に、高速道路上のサービスエリアやパーキングエリアの情報は事前に確認し、適切な休憩時間を計画することが効果的です。運転者が疲労を感じる前に休憩を取ることは、過労運転を防ぎ、事故のリスクを減らすために重要です。先述した通り、4時間を超える連続運転は禁止されており、その間に休憩が必要です。
無理や負担のない運転時間を設定する
運行計画書を作成する際は、運転者の安全と健康を考慮し、無理のない運転時間を設定することが重要です。特に長距離運行では、連続運転時間の制限や休憩時間の確保を適切に管理する必要があります。
連続運転時間が4時間を超えないように休憩を適切に取り入れ、運転時間を厳格に管理することで運転者の疲労が軽減され、業務効率の向上や、事故発生率の低下が見込めます。
運行計画書テンプレート
運行計画書を作成する際には、テンプレートを活用することで、効率的かつ正確に計画を立てることができます。以下は、運行計画書に含まれるべき項目の例です。
- 運行日時
- 車両情報(ナンバー、型式、運行距離)
- 運転者名
- 運行経路および主要地点
- 出発・到着日時
- 指示事項(危険地点:急カーブ、事故多発地点 など)
【テンプレート】千葉県安全運転管理協会
http://www.ankan-chiba.or.jp/untitled11.htmlこのテンプレートを使用することで、必要な情報を確実に記録し、スムーズに運行計画書を作成できます。また、運行管理者と運転者が容易に確認できる形式にすることで、実際の運行中にも参照しやすくなります。

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運行計画書作成の効率化にはツールの活用がおすすめ
運行計画書の作成は、手作業では時間がかかり、ミスが発生しやすい作業です。しかし、近年では運行管理システムやデジタルツールの導入により、作成業務が大幅に効率化されています。例えば、クラウドベースの運行管理システムを使用することで、リアルタイムでの運行データの把握や、迅速な計画修正が可能になります。
紙ベースで運行計画書は計画変更時の更新作業に時間がかかり、効率が悪くなってしまいます。ツールを導入することで計画の変更がリアルタイムで可能となり、急な交通状況の変化にも迅速に対応できるようになります。
さらに、デジタルタコグラフ(デジタコ)との連携により、運行中の車両データをリアルタイムで収集できるようになり、運行の安全性も向上します。
「MIMAMO DRIVE」で運行計画業務を効率化しよう
MIMAMO DRIVEとは東京海上スマートモビリティが提供する、車両管理・リアルタイム動態管理サービスです。シガーソケット型端末を車両に搭載するだけで、管理者はMIMAMO DRIVE webサイトから車両を一元管理できます。
MIMAMO DRIVEでは、日報の自動化に加えてアルコール検知器のチェック結果の写真も、日報と一緒に一元管理する機能を搭載しています。そのほか、リアルタイムでの走行状況をマップで確認できたり、走行距離を自動で記録できたりする便利な機能が多数あります。
「月報・日報を書く時間がない」
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そんなお困りごとに、MIMAMO DRIVEならすべて解決できます。ほかにも急ブレーキや急カーブなどの発生地点も確認できる機能があり、運転者に安全運転指導ができるので事故防止にもつながります。
MIMAMO DRIVEとは
「MIMAMO DRIVE」は、運行管理業務を効率化するために設計されたデジタルツールです。運行計画書の作成、デジタルタコグラフとの連携、リアルタイムデータの収集など、多岐にわたる機能を備えています。これにより、運行管理者は、運転者の運行状況を正確に把握し、安全で効率的な運行をサポートすることが可能です。
MIMAMO DRIVEを導入するメリット
MIMAMO DRIVEを導入することで、以下のようなメリットが得られます:
- リアルタイムでの運行データの取得と分析
- 運転者の運転状況のモニタリング
- 車両と運転者の一元管理
- 法規遵守の支援
このツールにより、運行管理者は業務を効率化し、運転者の負担を軽減することが可能です。
導入事例
乳製品の卸売販売と小売店舗を営む永島牛乳店様の事例をご紹介します。永島牛乳店様では、取引先への商品の納品用に5台の社有車を保有しています。運転者の自損事故をきっかけにMIMAMO DRIVEを導入しました。
リアルタイムで車両の位置情報を把握できるため、運転者出発後に追加注文が入った際にも動きやすい運転者に効率よく指示出しができるようになっています。また、納品をきにされる取引先へのご案内もスムーズにできており、全体を通じて、管理者のコスト削減につながっています。
ガソリンスタンドの運営と燃料の卸販売、ビルメンテナンス業を営む手塚商事様の事例をご紹介します。運転者の日報の手書きによる記載ミスが発生していました。MIMAMO DRIVEの導入により、日報の作成が自動化され毎日の作業時間を30~40分短縮できています。
また、車両管理も車検満了日などは管理表を作成し運用していましたが、台数が多く負担を感じていました。導入後はPC上で一元管理し、効率化を実現。車検のリマインド機能もコンプラ遵守に効果を発揮しています。
- MIMAMO DRIVE 資料紹介
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MIMAMO DRIVEは社有車に関する “経営者” “車両管理者” “運転者”皆様のお困りごとを解決する、 車両管理・リアルタイム動態管理サービスです。サービスの概要や主な機能、活用事例を簡単にご紹介しています。サービスの導入をご検討されている皆様にぜひご覧いただきたい資料になります。
まとめ
運行計画書は、運転者の安全運行を確保し、企業全体の業務効率を向上させるための不可欠なツールです。運行計画書の作成には、経路選定や休憩箇所の確認、無理のないスケジュール設定が求められます。また、デジタルツールや運行管理システムを活用することで、計画書の作成業務を効率化し、正確かつ迅速に業務を進めることが可能です。
運行管理者は、法令を遵守しつつ、安全で効率的な運行管理を実現するために、これらのツールを積極的に活用しましょう。