法令順守

安全運転義務違反の罰則や反則金をわかりやすく解説!該当行為や防止策も【弁護士監修】

弁護士監修 | 安全運転管理者必見 よくあるQ&A集

弁護士監修 | 安全運転管理者必見 よくあるQ&A集サムネイル

『安全運転促進・事故防止』を進めるために企業や安全運転管理者は何をするべきか?
本資料では不安や疑問をお持ちの方が多い、安全運転管理者とアルコール検知器への質問に対して、弁護士先生がお答えしています。

※この記事は弁護士の監修を受け、2024年09月10日時点の情報を基に執筆しています。 安全運転義務違反の罰則や反則金をわかりやすく解説!該当行為や防止策も【弁護士監修】のサムネイル

自動車運転において、道路交通法に基づき「安全運転義務違反」という違反行為が定められています。これは、運転者が適切な運転操作や周囲の状況確認を怠り、他の交通参加者に危険を及ぼす可能性がある行為を指します。

具体的には、運転操作ミスや前方確認の不備、速度超過などが該当し、これらの行為は交通事故を引き起こす大きな要因となります。安全運転義務違反を犯した場合、実際に事故が発生していなくても違反点数が加算されることがあり、運転者には罰則や反則金が科される可能性があります。

本記事では、安全運転義務違反とは何か、その具体的な違反行為や罰則について詳しく解説します。また、安全運転義務違反を防ぐために企業がどのような対応をすべきかについても触れていきます。企業や個人として、安全運転に対する意識を高め、交通事故を未然に防ぐための知識を深めましょう。

安全運転義務違反とは

安全運転義務違反とは、道路交通法第七〇条に定められている基本的な義務を運転者が怠った場合に適用される違反行為です。この条文では、運転者は「他人に危害を及ぼさないような速度と方法で運転しなければならない」とされています。具体的には、適切な速度で走行し、周囲の状況を常に確認し、道路状況や天候に応じた運転操作を行うことが求められます。これに違反すると、たとえ事故が発生していなくても罰則を受けたり、違反点数が加算されたりする可能性があります。

安全運転義務違反の適用は広範であり、例えば、前方確認を怠った結果、他の車両や歩行者に危険をもたらした場合や、速度超過により適切な制御ができなかった場合もこれに該当します。また、運転者がその時々の状況に応じた適切な対応を行わなかった場合も、同様に違反行為とみなされます。

このように、安全運転義務違反は運転者の日常の運転行動に深く関わるため、しっかりと理解しておくことが重要です。

安全運転義務違反に該当する6つの運転行為

安全運転義務違反には、運転者が交通ルールを守らずに他者に危険を及ぼす可能性のあるさまざまな行為が該当します。

特に注意すべき6つの運転行為として、運転操作不適安全不確認前方不注意動静不注視安全速度違反予測不適が挙げられます。これらの行為は、交通事故のリスクを大幅に高める要因であり、運転者に求められる基本的な注意義務を怠るものです。

安全運転義務違反に該当する6つの運転行為イメージ

本節では、それぞれの行為がどのようなものかを具体的に解説し、事故を防ぐためのポイントについても触れます。

1.運転操作不適

運転操作不適とは、運転者が車両を適切に操作できなかった状況を指します。例えば、ハンドル操作のミスや、ブレーキ操作が不十分な場合などが該当します。こうした操作ミスは、車両の挙動を不安定にし、他の車両や歩行者に危険を及ぼすリスクを高めます。運転者は常に車両の制御を確実に行い、道路状況や車両の状態に応じた操作を行う必要があります。

運転操作が不適切である場合、たとえ事故が発生しなくても罰則の対象となったり、違反点数が加算されたりすることがあります。これは、運転者の不注意やスキル不足による危険があると判断された場合に適用されるため、日々の運転においては正確で安定した操作を心がけることが求められます。

2.安全不確認

安全不確認とは、運転者が周囲の状況を適切に確認せずに行動することを指します。特に車線変更時や交差点での右左折時、歩行者の存在を確認しないまま進行する行為がこれに該当します。このような不確認は、他の車両や歩行者との接触事故を引き起こす要因となり、非常に危険です。

安全不確認を防ぐためには、運転者が常に視覚やミラーを使って周囲の状況を確認し、特に死角に注意を払うことが重要です。また、急な判断が必要な場合でも、確実に周囲の安全を確認してから行動することで、事故のリスクを大幅に減少させることができます。

3.前方不注意

前方不注意は、「脇見運転」と「漫然運転」の2つに分類されます。

下で説明する内容のイメージ

脇見運転

脇見運転とは、スマートフォンやカーナビゲーションの操作、さらには周囲の景色に気を取られ、運転中に前方への注意を怠ってしまうことを指します。「前方に障害物がないから大丈夫だろう」「少しだけ目を離しても問題ないだろう」といった油断が、重大な事故を引き起こす原因になり得ます。運転中は常に何が起こるかわからないため、前方から目を離さない意識が必要です。

なお、道路交通法第七十一条第五号の五では、運転中の通話、スマートフォンやカーナビゲーションの注視は禁止事項とされています。

漫然運転

漫然運転とは、運転に対する集中力が欠け、周囲への注意を怠っている状態を指します。漫然とした状態では、周囲の車両や歩行者の動きに気づけず、信号無視や標識の見落としといったミスを犯しやすくなります。例えば、道路に突然子供が飛び出してきたとしても、漫然運転中では反応が遅れ、大きな事故につながる危険性があります。運転者は常に集中し、漫然運転を避けることが求められます。

4.動静不注視

動静不注視とは、道路上の他の車両や歩行者の動きに注意を払わずに運転を続けることを指します。例えば、信号の変わり目や、他の車両が急停止する可能性を予測せずに進行する場合がこれに該当します。このような不注意は、予測不能な事態に対応できず、事故を引き起こす原因となります。

動静不注視を防ぐためには、常に周囲の車両や歩行者の動きを意識し、特に交差点や信号の変わるタイミングには注意が必要です。また、急な停止や進行が発生する可能性がある状況では、十分な車間距離を保ち、安全に対応できる準備をしておくことが重要です。

5.安全速度違反

安全速度違反とは、運転者が道路の制限速度を守らない、またはその時々の状況に応じた適切な速度で走行しないことを指します。制限速度を超過している場合はもちろん、悪天候や夜間などで制限速度内でも安全に走行できないと判断された場合もこれに該当します。特に、雨天時や凍結した路面では制限速度を下回る速度で運転することが安全とされます。

速度違反は事故のリスクを大幅に高めるため、運転者は常に道路や交通状況に応じた適切な速度で走行する必要があります。また、速度を守ることで、自身だけでなく周囲の車両や歩行者の安全も確保できるため、安全速度の遵守は最も重要な安全運転の基本といえます。

6.予測不適

予測不適とは、運転者が周囲の状況を正しく予測できず、危険な事態に備えることができない行為を指します。例えば、前方の車両が急停止する可能性を見逃して追突してしまう場合や、歩行者が横断歩道を渡り始めるタイミングを見誤る場合がこれに該当します。予測不適は、運転者の経験や判断力が問われる行為であり、特に危険が高まるシチュエーションでは適切な予測を行うことが求められます。

予測能力を高めるためには、運転中に常に周囲の状況に敏感であることが必要です。前方の車両や歩行者の動きを注意深く観察し、次に起こる可能性のある行動を予測することで、危険を未然に防ぐことができます。

3分でわかる車両管理・リアルタイム動態管理サービス | MIMAMO DRIVEサムネイル

3分でわかる車両管理・リアルタイム動態管理サービス | MIMAMO DRIVE

無料 いますぐ資料ダウンロード

安全義務違反での事故の罰則について

安全運転義務違反に対する罰則は、事故の有無にかかわらず適用されることがあり、運転者に大きな影響を及ぼします。特に重大な場合には、刑事罰に発展する可能性もあるため、運転者は常に安全運転を心がける必要があります。本節では、実際の事故の発生状況に応じた罰則の詳細や、刑事罰の可能性について解説します。

実際に事故が起きたかどうかは関係ある?

安全運転義務違反においては、事故が実際に発生したかどうかに関わらず罰則が適用される場合があります。道路交通法第七〇条では、運転者が他の交通参加者に危険を及ぼす可能性があると判断された場合でも、違反行為として取り締まりの対象となる可能性があります。

したがって、事故が発生しなくても、安全運転義務違反とみなされ、違反点数の加算や罰金が科されることがあります。

安全運転義務違反の違反点数は?

安全運転義務違反に対する違反点数は通常2点が加算されますが、違反の内容や状況によっては追加点数が科される場合もあります。また、人身事故を引き起こした場合や特に悪質な違反行為を行った場合には、罰金等の罰則だけでなく、免許停止や免許取り消し等の処分の対象となることもあります。

違反点数は累積されるため、特に頻繁に違反を犯している運転者にとっては、重大な影響を与える可能性があります。

刑事罰になる場合もある?

安全運転義務違反は、場合によっては刑事罰の対象にもなり得ます。特に、人身事故や死亡事故を引き起こした場合には、運転者には罰金や懲役刑が科される可能性が高まります。刑事罰に発展するかどうかは、事故の規模・態様や運転者の過失の程度等に依存しますが、重大な事故を防ぐためにも、安全運転を常に心がけることが不可欠です。

人身事故を起こしても罰金なしになることがある?

人身事故を引き起こした場合でも、状況によっては罰金が科されないことがあります。例えば、軽微な事故であり、被害者との和解が成立した場合や、被害者に重大な落ち度があった場合、被害者に重大な損害がなかった場合などです。ただし、これは例外的なケースであり、通常は人身事故に対しては厳しい罰則が科されるため、常に安全運転を心がけることが重要です。

【一覧表】安全運転義務違反の違反点数・反則金

安全運転義務違反の場合、違反点数は2点となります。反則金は車両区分によって変わり、大型車等が12,000円、普通自動車が9,000円、二輪車が7,000円、原付車が6,000円です。もし反則金を支払わないと、3ヶ月以下の懲役又は5万円以下の罰金を科せられる可能性があります。

大型車 12,000
普通自動車 9,000
二輪車 7,000
原付車 6,000

安全運転義務違反を防ぐために企業ができる対策

企業は、運転者が安全運転義務違反を防ぐために、さまざまな対策を講じることが求められます。まず、運転者に対して定期的な安全運転講習を実施し、法令や運転技術の再確認を行うことが重要です。講習では、事故の防止策や運転時の心構え、最新の道路交通法の改正点などを共有し、従業員全体の意識を高めることが目的です。

さらに、車両のメンテナンスを徹底し、事故を未然に防ぐための環境整備も欠かせません。企業がこれらの対策を徹底することで、従業員の安全意識が向上し、交通事故の発生リスクを大幅に軽減できます。また、車両管理システムや安全運転サポートツールの導入も有効です。

安全運転をサポートする「MIMAMODRIVE」

MIMAMODRIVEとは

MIMAMO DRIVEとは東京海上スマートモビリティが提供する、車両管理・リアルタイム動態管理サービスです。シガーソケット型端末を車両に搭載するだけで、管理者は車両を一元管理できます。

MIMAMO DRIVEでは、日報の自動化に加えてアルコール検知器の測定結果の写真や数値も、日報と一緒に一元管理する機能を搭載しています。そのほか、リアルタイムでの走行状況をマップで確認できたり、走行距離を自動で記録できたりする便利な機能が多数あります。

「月報・日報を書く時間がない」
「紙媒体で管理していた煩雑な車両の使用状況を効率的に管理したい」
「事故のリスクを減らす効果的な方法が知りたい」

そんなお困りごとを、MIMAMO DRIVEなら解決できます。

ほかにも急ブレーキや急カーブなどの発生地点も確認できる機能があり、運転者に安全運転指導ができるので事故防止にもつながります。

東京海上グループは、お客様や地域社会の“いざ”をお支えするというパーパスを掲げ、100 年以上に わたり自動車保険をはじめとする様々な保険商品を提供してきました。
MIMAMO DRIVEは東京海上グループが長年培ってきた安全に関するノウハウに基づき運転者の走行を数値化し、アドバイス。運転評価やランキング、運転性向上など、安全指導に活用できる機能を搭載しています。

MIMAMODRIVEを導入するメリット

MIMAMO DRIVEは車両管理に関する重要な情報を一元管理できます。

  • アルコールチェックの測定結果と日報を一元化
  • ペーパーレス化により管理作業時間を短縮
  • リアルタイムで位置情報を可視化し、管理業務を効率化
  • 運転者の安全運転意識と運転マナーの向上
  • 全車両の車検や保険の更新漏れを防止

上記のメリットのほかに、MIMAMO DRIVEは、運転者がスマホから入力可能なところも運転者が漏れなく記録できるポイントです。例えば、スマホからなら直行直帰や出張などで営業所に立ち寄れない場合でも、アルコール検知器による測定結果をその場で日報にあげることができます。とくに遠隔の場合は、紙媒体だと車両に持ち込み忘れたり、紛失したりする恐れがあります。MIMAMO DRIVEなら、遠隔でも運転者が記入したかどうかを確認することができ、記録簿の紛失の心配もいりません。

導入事例

乳製品の卸売販売と小売店舗を営む永島牛乳店様の事例をご紹介します。永島牛乳店様では、取引先への商品の納品用に5台の社用車を保有しています。運転者の自損事故をきっかけにMIMAMO DRIVEを導入しました。

リアルタイムで車両の位置情報を把握できるため、運転者が出発後に追加注文が入った際にも、代わりに動きやすい運転者を見つけて効率よく指示出しができるようになりました。また、納品時間を気にされる取引先へのご案内もスムーズにできており、全体を通じて、管理者の負担削減につながっています。

ガソリンスタンドの運営と燃料の卸販売、ビルメンテナンス業を営む手塚商事様の事例をご紹介します。運転者の日報の手書きによる記載ミスが発生していました。MIMAMO DRIVEの導入により、日報の作成が自動化され毎日の作業時間を30~40分短縮できています。

また、車両管理も車検満了日などは管理表を作成し運用していましたが、台数が多く負担を感じていました。導入後はMIMAMO DRIVEで一元管理し、業務の効率化を実現しています。

MIMAMO DRIVE 資料紹介
MIMAMODRIVE資料のイメージ画像 MIMAMODRIVE資料のイメージ画像

MIMAMO DRIVEは社有車に関する “経営者” “車両管理者” “運転者”皆様のお困りごとを解決する、 車両管理・リアルタイム動態管理サービスです。サービスの概要や主な機能、活用事例を簡単にご紹介しています。サービスの導入をご検討されている皆様にぜひご覧いただきたい資料になります。

まとめ

安全運転義務違反は、運転者が道路交通法に基づく義務を怠った場合に適用され、罰則や反則金が科される可能性があります。事故を未然に防ぐためにも、安全運転の意識を高め、企業としても適切な対策を講じることが重要です。MIMAMO DRIVEのようなツールを活用し、日常的に運転行動をモニタリングすることで、事故リスクを低減させ、従業員の安全意識を向上させましょう。

この記事をお読みの方向け

安全運転管理者必見 よくあるQ&A集(無料)