車両管理

車両管理システムで解決できる企業の車両管理課題とは?

※この記事は2024年08月12日時点の法令を基に執筆しています。 車両管理システムで解決できる企業の車両管理課題とは?のサムネイル

車両を所有する企業に義務付けられている車両管理業務。車両の管理には、車両情報、稼働状況、運転者の管理をはじめとする業務が多岐にわたります。車両管理を円滑に進めるために車両管理システムを導入する企業が増えてきています。

この記事では、車両管理システムで解決できる課題や重要性について解説します。車両管理の改善のヒントとなる情報をお届けしますので、参考にしてみてください。

車両管理とは

車両管理は、自社で所有する車両の管理業務を行うことを指します。緑ナンバー(注1)・白ナンバー(注2)問わず、共通して取り組む必要があり、車両の状態を把握するだけでなく、稼働状況の管理や車両台数の最適化なども該当します。

車両管理業務は、運転者や運行管理者・安全運転管理者などの責任者をはじめ、業務を遂行するうえでの関係者が多く、業務も多岐にわたります。また、安全運転の遵守や効率的なコスト管理を実現し、会社や従業員を守るうえでも大切な業務です。

注1:運送業許可を取得した事業者に交付され、運送業に使用する営業車両に取り付けられる、緑地に白い文字のナンバープレートのこと。

注2:緑ナンバーの車両以外の、自家用車や社用車として利用される自動車に取り付けられる、白地に緑の文字のナンバープレートのこと。なお、黄色ナンバーの軽自動車もここでいう白ナンバーに含まれます。

車両管理システムで企業の車両管理課題を解決

車両管理システムを導入すると、以下のような管理課題を解決できます。

  • 車両情報の管理
  • 稼働状況の管理
  • 運転に関する管理

ここから、上記3つの課題を解説します。

車両情報の管理

車両情報の管理は、整備不良による交通事故を防ぎ、運転者が安心して車両を使用するために行うもので、主に以下の情報を管理する必要があります。

  • 車両のメーカー名・車種
  • 登録番号
  • 登録年月日
  • 走行距離
  • 加入している保険の内容
  • 車検・定期点検の実施状況
  • 交通事故歴・修理回数

これら情報は車両管理台帳を作成し管理することが求められますが、車両管理システムで管理できると効率的です。

稼働状況の管理

使用している車両の稼働状況の把握も管理業務の1つです。主に以下の情報を管理します。

  • 車両の稼働率
  • 車両の配置
  • 車両の入れ替え時期
  • 給油実績・燃費の算出

運転日報から、ある程度、車両の稼働状況の把握は可能ですが、より高度かつリアルタイムで管理を行うには、GPSが搭載されている車両管理システムを導入することをおすすめします。車両の稼働状況を把握することで、適正な車両配置や経費削減などが期待できます。

運転に関する管理

運転に関する管理も重要です。日々のアルコールチェックの実施や管理をはじめ、危険な運転を行っていないか、運行データを確認し、必要であれば安全運転に向けた教育を行っていくことが求められます。

また、運転者の運転免許証の期限、これまでの違反歴などの情報管理も含まれるため、運転者とのやり取りを円滑に行うことが効率的な管理につながります。

企業における車両管理の重要性3つ

なぜ車両管理を徹底する必要があるのか、重要性を理解することで自社の課題に応じた管理業務へとつながります。

適切な車両管理・交通事故の防止・法令の遵守

ここでは、上記3つの側面から車両管理の重要性を解説します。

適切な車両管理

車両の管理は、車両管理台帳を活用して、車両の運行頻度やメンテナンス履歴の詳細を把握できます。これらの情報が蓄積されていくと、適切な運行スケジュールの作成や漏れのない車両整備の実施につながります。

また、車両に係る経費全般も管理する必要があります。車両を運行する中で発生するガソリン代はコスト管理の中でも重要な項目の1つです。所有する車両の台数が多い場合には、ガソリン代を節約することで、大きな経費削減を期待できます。車両に係る軽費が膨らまないようなコスト管理を徹底していくことが重要です。

交通事故の防止

車両管理において優先される目的は交通事故防止です。交通事故は、企業の社会的信用を失う要因となるため、従業員への安全運転教育や車両管理システムを活用し、交通事故を未然に防ぐ車両の運用体制を整備することが重要です。

例えば、車両ごとに定期点検スケジュールを作成し、点検漏れを防ぐための管理システムを導入することが有効です。GPSの搭載された車両管理システムには、豊富な機能が搭載されているため、走行ルートから従来の運転業務を見直し、安全運転の徹底を図れます。

法令の遵守

法令遵守を徹底した車両管理を実施することで、企業の社会的信頼を守れます。

従業員が車両を運転した際に、交通事故を起こしてしまった場合、運転者自身の責任のほか、民法715条により、企業側にも損害賠償責任(使用者責任)が問われる可能性があります。

しかしながら、事前に車両管理規程を作成しておくことで、日頃から従業員に注意喚起しやすくなり、交通事故の発生の抑止につながります。

また、道路交通法第74条の3に基づく安全運転管理者を選任も重要です。一定基準を満たす企業は、安全運転管理者を選任し、安全運転に向けた業務に従事させる必要があります。安全運転管理者は、運転者の状況把握や運行管理に係る業務を行い、組織全体の安全運転の実現に向けた重要な役割を担います。

法令を犯さないためには、最新の法令に準拠した体制を整え、車両管理を行うことが重要です。

車両管理業務における3つの重要ポイント

車両管理業務を進めるうえで、必ず実施する必要のあるポイントを紹介します。

下で説明する3つのポイントのイメージ図

車両管理を円滑に実現するために上記3つのポイントを押さえておく必要があります。

車両の管理部門と責任者の明確化

車両管理業務は多岐にわたるため、管理部門と責任者を明確化しておくことで、円滑な管理を実現できます。各管理業務の責任者リストを作成し運用することで、効率よく管理を進められます。

また、責任者も車両の運行状況に応じて、改善策を提案することで、車両のパフォーマンス改善も期待できます。例えば、燃費が悪化している車両に対しては、運転方法の見直しや適切なメンテナンスを指導することで、コスト削減とCO2削減などの環境保護にも貢献します。

そして、担当者の担当業務も明確にし、責任者と紐づけておくことで、一目で管理状況を把握できたり、トラブル発生時にも迅速に対応できたりします。

安全運転管理者の選任

車両管理に関し、以下の条件を満たす事業所において、企業は安全運転管理者を選任する必要があります。

  • 乗車定員が11人以上の自動車を1台以上使用している事業所
  • その他の自動車を5台以上使用している事業所

※ 大型自動二輪車又は普通自動二輪車は、それぞれ1台を0.5台として計算

上記に加え、20台以上の社用車を使用している企業では、副安全運転管理者を20台ごとに1人選任しなければなりません。

安全運転管理者の資格要件は以下のとおりです。

  • 20歳以上(副安全運転管理者が置かれる場合は30歳以上)
  • 自動車の運転の管理に関し2年以上の実務の経験を有する

安全運転管理者を選任した場合には、選任日から15日以内に都道府県公安委員会に届け出る必要があります。

車両管理規程の作成

車両管理規程は、社用車の運用に関するルールをまとめたものを指します。車両管理規程は一般に業務に使用する車両に適用されます。車両管理規程を定めることで、道路交通法その他の法令に準拠した適切な車両管理を実施できます。

また、厳密に規程を定め、従業員に周知することで、安全意識を高めるうえでも車両管理規程は必要です。

車両管理の運用方法統一のため車両管理規程に盛り込みたい項目

車両管理の運用を組織で統一させるには、車両管理規程を作成することが重要です。会社や従業員を守るために重要な車両管理規程には、どのような項目を入れるべきか紹介します。

  • 車両管理責任者の明示
  • 安全運転管理者の選任
  • 車両管理台帳・運転台帳の作成
  • 社用車の私的運用について
  • マイカーの業務利用について
  • 交通事故・トラブル発生時の対応
  • 車両保険の加入・条件

車両管理規程は、定期的に見直し、実用性のある内容へ修正することが効果的です。また、管理側のみならず従業員側にも遵守してほしい項目を開示していくことで、組織全体の共通認識となる車両管理規程を作成しましょう。

車両管理システムなら「MIMAMO DRIVE」

企業の車両管理や安全運転等を支援するフリートマネジメントサービス「MIMAMO DRIVE」(ミマモドライブ)では、社用車に関するお困りごとを解決します。

MIMAMO DRIVEとは

MIMAMO DRIVEとは東京海上スマートモビリティが提供する、車両管理・リアルタイム動態管理サービスです。シガーソケット型端末を車両に搭載するだけで、管理者は車両を一元管理できます。

MIMAMO DRIVEでは、日報の自動化に加えてアルコール検知器の測定結果の写真や数値も、日報と一緒に一元管理する機能を搭載しています。そのほか、リアルタイムでの走行状況をマップで確認できたり、走行距離を自動で記録できたりする便利な機能が多数あります。

「月報・日報を書く時間がない」
「紙媒体で管理していた煩雑な車両の使用状況を効率的に管理したい」
「事故のリスクを減らす効果的な方法が知りたい」

そんなお困りごとを、MIMAMO DRIVEなら解決できます。

ほかにも急ブレーキや急カーブなどの発生地点も確認できる機能があり、運転者に安全運転指導ができるので事故防止にもつながります。

東京海上グループは、お客様や地域社会の“いざ”をお支えするというパーパスを掲げ、100 年以上に わたり自動車保険をはじめとする様々な保険商品を提供してきました。

MIMAMO DRIVEは東京海上グループが長年培ってきた安全に関するノウハウに基づき運転者の走行を数値化し、アドバイス。運転評価やランキング、運転性向上など、安全指導に活用できる機能を搭載しています。

MIMAMO DRIVEのサービス内容

MIMAMO DRIVEは車両管理に関する重要な情報を一元管理できます。

  • アルコールチェックの測定結果と日報を一元化
  • ペーパーレス化により管理作業時間を短縮
  • リアルタイムで位置情報を可視化し、管理業務を効率化
  • 運転者の安全運転意識と運転マナーの向上
  • 全車両の車検や保険の更新漏れを防止

上記のメリットのほかに、MIMAMO DRIVEは、運転者がスマホからも入力が可能です。例えば、スマホからなら直行直帰や出張などで営業所に立ち寄れない場合でも、アルコール検知器による測定結果をその場で日報にあげることができます。とくに遠隔の場合は、紙媒体だと車両に持ち込み忘れたり、紛失したりする恐れがあります。MIMAMO DRIVEなら、遠隔でも運転者が記入したかどうかを確認することができ、記録簿の紛失の心配もいりません。

導入事例

乳製品の卸売販売と小売店舗を営む永島牛乳店様の事例をご紹介します。永島牛乳店様では、取引先への商品の納品用に5台の社用車を所有しています。運転者の自損事故をきっかけにMIMAMO DRIVEを導入しました。

リアルタイムで車両の位置情報を把握できるため、運転者が出発後に追加注文が入った際にも、代わりに動きやすい運転者を見つけて効率よく指示出しができるようになりました。また、納品時間を気にされる取引先へのご案内もスムーズにできており、全体を通じて、管理者の負担削減につながっています。

ガソリンスタンドの運営と燃料の卸販売、ビルメンテナンス業を営む手塚商事様の事例をご紹介します。運転者の日報の手書きによる記載ミスが発生していました。MIMAMO DRIVEの導入により、日報の作成が自動化され毎日の作業時間を30~40分短縮できています。

また、車両管理も車検満了日などは管理表を作成し運用していましたが、台数が多く負担を感じていました。導入後はMIMAMO DRIVEで一元管理し、業務の効率化を実現しています。

MIMAMO DRIVE 資料紹介
MIMAMODRIVE資料のイメージ画像 MIMAMODRIVE資料のイメージ画像

MIMAMO DRIVEは社有車に関する “経営者” “車両管理者” “運転者”皆様のお困りごとを解決する、 車両管理・リアルタイム動態管理サービスです。サービスの概要や主な機能、活用事例を簡単にご紹介しています。サービスの導入をご検討されている皆様にぜひご覧いただきたい資料になります。

まとめ

車両管理は、法令に基づき正しく実施されなければなりません。車両管理業務は多岐にわたるため、全てをアナログで進めようとすると、業務負担が大きくなってしまいます。

そこで、車両管理システムを活用し、効率よく管理課題の解決に結び付けていくことが大切です。この記事を参考に自社の発展に必要不可欠な車両管理の重要性を見直してみてはいかがでしょうか。