アルコールチェック

アルコールチェッカーの正しい使い方と企業に合った選び方を解説!

※この記事は2024年08月12日時点の法令を基に執筆しています。 アルコールチェッカーの正しい使い方と企業に合った選び方を解説!のサムネイル

運輸業界をはじめとする多くの業界でアルコールチェッカーの導入が進んでいます。道路交通法施行規則の改正により、2022年4月からアルコールチェックが所定の要件を満たす事業所の白ナンバー車両においても義務化されました。2023年12月以降は、アルコールチェック時に検知器を使用し、酒気帯びの有無を確認することも必須となっています。

この記事では、アルコールチェッカーの正しい使い方や選び方、さらにはメンテナンスの方法について詳しく解説します。適切なアルコールチェッカーの利用は、従業員の安全確保と企業のコンプライアンスを支える重要な要素です。

アルコールチェッカーとは?

アルコールチェッカーとは、運転者の呼気中に含まれるアルコール濃度を測定するための機器です。測定方法には「血液採取」と「呼気採取」がありますが、業務用として広く使用されているのは「呼気採取」です。

アルコールは摂取後、血液に入り、肺を通して一部が呼気として排出されます。アルコールチェッカーは、この呼気中のアルコール濃度をセンサーで検知し、飲酒の有無を確認することができます。これは、飲酒運転を防ぎ、法令を遵守するために欠かせないツールとなっています。

本記事では広く使用されている「呼気採取」のアルコールチェッカーについて、メインで解説していきます。

アルコールチェッカーの選び方

アルコールチェッカーは、企業の安全運転管理をサポートする重要なツールです。しかし、製品によって測定方法や精度、価格が異なるため、適切な選択が求められます。企業の勤務体系や使用目的に応じた適切な製品を選ぶことで、安全性の向上と業務効率化が期待できます。

下で説明する4つの選び方のイメージ画像

勤務体系に合わせた測定方法で選ぶ

アルコールチェッカーを選ぶ際には、まず勤務体系に合った測定方法を考慮することが重要です。夜勤が多い企業や交代勤務がある場合、24時間対応可能なチェッカーが必要です。また、リモートワークが増えている現代では、対面でのチェックが難しい場合もあるため、オンライン上で確認・記録できるタイプを選ぶと便利です。こうした対応ができるチェッカーを選ぶことで、アルコールチェックの手間を減らし、業務の効率化が図れます。

測定方法で選ぶ

アルコールチェッカーには、主に「呼気採取タイプ」の製品が使用されています。呼気採取タイプでは、呼気中のアルコール濃度をセンサーで検知して測定します。

アルコール濃度を検知するセンサーには「半導体式ガスセンサー」と「電気化学式(燃料電池式)センサー」があります。各センサーには、特徴やメンテナンスの頻度、コストが異なるため、企業のニーズに合わせた選択が必要です。

センサーの種類で選ぶ

アルコールチェッカーに搭載されるセンサーには、主に「半導体式ガスセンサー」と「電気化学式(燃料電池式)センサー」があります。

半導体式ガスセンサーは価格が安く、小型で持ち運びが容易です。ただし、アルコール以外の成分にも反応しやすいというデメリットがあります。

電気化学式(燃料電池式)センサーは高精度で信頼性が高く、アルコール以外の成分に反応しにくい特徴があります。価格はやや高いですが、業務用として安定した性能を発揮します。メンテナンスが必要ですが、耐久性に優れているため、長期間使用できます。

測定可能な回数で選ぶ

アルコールチェッカーの測定可能な回数も選定時の重要なポイントです。1日に多くの運転者がアルコールチェックを行う企業では、一度の充電で多くの測定が可能なチェッカーを選ぶことが求められます。使用頻度が高い場合は、耐久性があり、長時間の連続使用に耐えられる製品を選ぶと良いでしょう。

アルコールチェッカーの正しい使い方

アルコールチェッカーを正しく使用することで、運転者の飲酒運転を未然に防ぐことができます。しかし、誤った使用方法では正確な測定結果が得られず、逆に安全管理に支障をきたす可能性があります。アルコールチェッカーのタイプ別の使い方や使用前の注意点について解説し、安全な運転業務をサポートするための正しい使い方を紹介します。

タイプ別の測定方法

アルコールチェッカーには、主に3つのタイプがあります。これらのタイプごとに、適切な使い方を理解することが重要です。

下で説明する3つのタイプのイメージ画像
  • 吹きかけタイプ:機器の吹き込み口に直接息を吹きかけて測定します。使いやすい反面、周囲の空気の影響を受けやすいため、精度はやや低めです。
  • ストロータイプ:ストローを使って息を吹き込みます。吹きかけタイプよりも精度が高く、息が外気に触れること無くセンサーに吹きかかるため、より正確な測定が可能です。
  • マウスピースタイプ:マウスピースを用いて息を吹き込みます。このタイプも外気の影響を受けにくく、高精度な測定が可能です。

アルコールチェッカーを使用する前の注意点

アルコールチェッカーを使用する前に注意すべき点がいくつかあります。まず、測定前にうがいをして口内を清潔に保つことが重要です。食べ物や飲み物の残留物がアルコールチェッカーに反応し、誤検知の原因となることがあります。

また、測定前にアルコールを含む可能性がある飲食物(ノンアルコール飲料やアルコールを含有するチョコレートなど)を摂取しないようにしましょう。アルコール成分を含まないと言われている飲料・食品類にも微量のアルコールを含んでいる場合があります。

さらに、測定前に飲食をした場合は、15分以上時間を空けることで、正確な測定結果を得ることができます。

アルコールチェック時のポイント

アルコールチェックは、飲酒運転を防止するための重要なプロセスです。また、適切な方法でチェックを実施することで、法令遵守と企業の安全管理が確実に行われます。アルコールチェックを行う際のポイントについて、具体的な手順や注意点を解説します。対面での確認や確認者による実施を徹底することで、より確実な安全管理が可能です。

アルコールチェックは原則、運転の前後

令和3年11月10日「道路交通法施行規則の一部を改正する内閣府令」が公布され、所定の要件を満たす事業者については、令和4年4月から業務として運転しようとする者及び運転を終了した者に対し、酒気帯びの有無を確認することが義務付けられました。
運転前にチェックを行うことで、飲酒運転を防止し、運転後に再度チェックすることで業務中に飲酒がなかったかを確認します。また、2泊以上の泊まりがけの長距離運行などで乗務前点呼及び乗務前後に対面等で行うのが困難な場合には中間点呼の実施が必要になることもあります。これにより、企業は安全な運転管理を徹底することができます。

アルコールチェックは原則対面

アルコールチェックは、原則として対面で行う必要があります。対面での確認により、測定結果の信頼性が向上し、不正を防止する効果があります。ただし、リモートワークなどの影響で対面が難しい場合は、ビデオ通話などを活用してリモートでの確認を行うことも可能です。どの方法を選ぶにしても、厳格な管理が必要です。

アルコールチェックは管理者が実施

アルコールチェックは、必ず運行管理者、安全運転管理者等の管理者が実施することが求められます。管理者がチェックを行い、その結果を記録することで、飲酒運転のリスクを最小限に抑えることができます。また、管理者はアルコールチェッカーの正しい使用方法や結果の評価基準を理解しておく必要があります。企業は定期的に教育や訓練を行い、管理者のスキルを向上させることが重要です。

アルコールチェッカーはどんなものでもいいの?

アルコールチェッカーを選ぶ際には、国家公安委員会が定めた要件である「呼気中のアルコールを検知し、その有無又はその濃度を警告音、警告灯、数値等により示す機能を有する機器」であることを満たしているかを確認することが重要です。また、企業の業務内容や使用頻度に応じて、適切な製品を選ぶ必要があります。精度の高い測定を求める際には測定時の注意点を遵守した上で、電気化学式センサーを搭載した製品が適しています。一方で、初めての導入やコスト重視の企業には、半導体式ガスセンサー搭載の製品が適しています。

弁護士監修 アルコールチェック義務化対応ハンドブック

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本ハンドブックでは、事業者が法令を順守し安全運転管理を強化するため、弁護士監修の元、アルコールチェックの対象企業や必要な対応ステップについて詳しく解説します。

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アルコールチェッカーはこまめにメンテナンス

アルコールチェッカーは、正確な測定を維持するために定期的なメンテナンスが必要です。センサーのチェックや交換を行うことで、機器の寿命を延ばし、精度を保つことができます。また、機器本体のクリーニングやバッテリーの管理も重要です。これにより、アルコールチェックの信頼性を高め、法令を遵守することが可能になります。付属の説明書をよく読み、定期的なメンテナンスを心がけましょう。

MIMAMO DRIVEでアルコールチェック記録業務を効率化!

MIMAMO DRIVEとは

MIMAMO DRIVEとは東京海上スマートモビリティが提供する、車両管理・リアルタイム動態管理サービスです。シガーソケット型端末を車両に搭載するだけで、管理者は車両を一元管理できます。

MIMAMO DRIVEでは、日報の自動化に加えてアルコール検知器の測定結果の写真や数値も、日報と一緒に一元管理する機能を搭載しています。そのほか、リアルタイムでの走行状況をマップで確認できたり、走行距離を自動で記録できたりする便利な機能が多数あります。

「月報・日報を書く時間がない」
「紙媒体で管理していた煩雑な車両の使用状況を効率的に管理したい」
「事故のリスクを減らす効果的な方法が知りたい」

そんなお困りごとを、MIMAMO DRIVEなら解決できます。

ほかにも急ブレーキや急カーブなどの発生地点も確認できる機能があり、運転者に安全運転指導ができるので事故防止にもつながります。

東京海上グループは、お客様や地域社会の“いざ”をお支えするというパーパスを掲げ、100 年以上に わたり自動車保険をはじめとする様々な保険商品を提供してきました。
MIMAMO DRIVEは東京海上グループが長年培ってきた安全に関するノウハウに基づき運転者の走行を数値化し、アドバイス。運転評価やランキング、運転性向上など、安全指導に活用できる機能を搭載しています。

アルコールチェックの記録にMIMAMO DRIVEを導入するメリット

MIMAMO DRIVEを導入することで、アルコールチェックの記録業務が大幅に効率化されます。データが自動的にクラウドに保存されるため、紙ベースの記録に比べて管理が容易になり、記録漏れや改ざんのリスクが低減されます。

また、クラウドでデータを共有できるため、管理者の確認業務を効率化することができます。法令遵守と業務効率化の両方を実現できるMIMAMO DRIVEは、企業にとって強力なツールです。

アルコールチェック以外にも、MIMAMO DRIVEは車両のあらゆる情報を一元管理できます。

  • アルコールチェック記録簿と日報を一元化
  • 車両管理者と運転者の就労時間を短縮
  • ペーパーレス化による管理作業時間を短縮
  • リアルタイムで位置情報を可視化し、管理業務の効率化
  • 運転者の安全運転意識と運転マナーの向上
  • 全車両の一元管理で車検や保険の更新漏れを防止

上記のメリットのほかに、MIMAMO DRIVEは、運転者がスマホからも入力が可能です。例えば、スマホからなら直行直帰や出張などで営業所に立ち寄れない場合でも、アルコール検知器による測定結果をその場で日報にあげることができます。とくに遠隔の場合は、紙媒体だと車両に持ち込み忘れたり、紛失したりする恐れがあります。MIMAMO DRIVEなら、遠隔でも運転者が記入したかどうかを確認することができ、記録簿の紛失の心配もいりません。

導入事例

乳製品の卸売販売と小売店舗を営む永島牛乳店様の事例をご紹介します。永島牛乳店様では、取引先への商品の納品用に5台の社用車を保有しています。運転者の自損事故をきっかけにMIMAMO DRIVEを導入しました。

リアルタイムで車両の位置情報を把握できるため、運転者が出発後に追加注文が入った際にも、代わりに動きやすい運転者を見つけて効率よく指示出しができるようになりました。また、納品時間を気にされる取引先へのご案内もスムーズにできており、全体を通じて、管理者の負担削減につながっています。

ガソリンスタンドの運営と燃料の卸販売、ビルメンテナンス業を営む手塚商事様の事例をご紹介します。運転者の日報の手書きによる記載ミスが発生していました。MIMAMO DRIVEの導入により、日報の作成が自動化され毎日の作業時間を30~40分短縮できています。

また、車両管理も車検満了日などは管理表を作成し運用していましたが、台数が多く負担を感じていました。導入後はMIMAMO DRIVEで一元管理し、業務の効率化を実現しています。

MIMAMO DRIVE 資料紹介
MIMAMODRIVE資料のイメージ画像 MIMAMODRIVE資料のイメージ画像

MIMAMO DRIVEは社有車に関する “経営者” “車両管理者” “運転者”皆様のお困りごとを解決する、 車両管理・リアルタイム動態管理サービスです。サービスの概要や主な機能、活用事例を簡単にご紹介しています。サービスの導入をご検討されている皆様にぜひご覧いただきたい資料になります。

まとめ

アルコールチェッカーは、運転者の安全を確保し、企業の法令遵守を支える重要なツールです。正しい選び方と使い方を理解し、定期的なメンテナンスを行うことで、最大限の効果を発揮します。また、MIMAMO DRIVEのようなクラウドサービスを活用することで、記録業務を効率化し、コンプライアンスの強化が図れます。企業の安全管理を一層強化し、社会的責任を果たすために、ぜひ本記事の内容を参考にしてください。