3. 点呼を怠った場合の処分
貨物自動車運送事業者において点呼業務は法的に義務付けられており、怠った場合には厳しい行政処分等の対象となる可能性があります。点呼は、運転者の健康状態や車両の安全性を確認する重要な手続きであり、輸送の安全確保と事故防止に欠かせません。点呼を適切に実施しないと、運転者や他の道路利用者の安全が脅かされるため、法律は点呼業務を厳格に規定し、違反した場合の処分等も詳細に定めています。
点呼の実施違反の場合
貨物自動車運送事業者が点呼を実施しなかった場合や不適切な点呼を行った場合、以下の表に示すような処分等の対象となる可能性があります。違反の回数と内容に応じて処分等は段階的に厳しくなります。
点呼の違反点数(点呼が必要な回数100回に対して)
| 点呼未実施(19件以下) |
初回違反:警告 再違反:10日車 |
| 点呼未実施(20件以上49件以下) |
初回違反:10日車 再違反:20日車 |
| 点呼未実施(50件以上) |
初回違反:20日車 再違反:40日車 |
| 一部実施不適切 |
初回違反:警告 再違反:10日車 |
| 全て実施不適切 |
初回違反:10日車 再違反:20日車 |
参考:国土交通省 貨物自動車運送事業者に対し行政処分等を行うべき違反行為及び日車数等について 別表P2
「10日車」という処分は、該当車両を10日間運行停止することを意味します。この期間中は、業務に使用することができません。
なお、以下の場合は「点呼未実施」と判断されるため、特に注意してください。
- 運行管理者や補助者以外が点呼を実施した場合
- 運行管理者・補助者による自己点呼
- 対面以外の方法で点呼を実施した場合(運行上やむを得ない場合を除く)
「実施不適切」とは点呼の実施に不備があることです。もしも未実施と実施不適切の両方に当てはまる場合は、処分日車数が多い違反として取り扱われます。
点呼の記録違反の場合
点呼の記録に不備がある場合や、記録を改ざんした場合の処分等は以下の通りです。点呼記録は正確な情報を保持することが求められ、違反すると処分等の対象となる可能性があります。
(点呼の記録違反)
| 一部記録なし |
初回違反:警告 再違反:10日車 |
| 全て記録なし |
初回違反:30日車 再違反:60日車 |
| 記載事項等の不備 |
初回違反:警告 再違反:10日車 |
| 記録の改ざん・不実記載 |
初回違反:30日車 再違反:60日車 |
| 一部保存なし |
初回違反:警告 再違反:10日車 |
| 全て保存なし |
初回違反:10日車 再違反:20日車 |
参考:国土交通省 貨物自動車運送事業者に対し行政処分等を行うべき違反行為及び日車数等について 別表P3
記録を適切に管理し、定められた期間保管することが法律で義務付けられています。
アルコール検知器の設置違反の場合
点呼時に使用するアルコール検知器の設置や維持に関する違反については、以下の処分が適用されます。アルコール検知器の不備は重大な事故につながるリスクが高いため、特に厳しく取り扱われます。
| 検知器の備えなし |
初回違反:60日車 再違反:120日車 |
| アルコール検知器の常時有効保持義務違反 |
初回違反:20日車 再違反:40日車 |
参考:国土交通省 貨物自動車運送事業者に対し行政処分等を行うべき違反行為及び日車数等について 別表P2、3
「検知器の備えなし」とは、アルコールチェッカーの備えがない状態のことです。1器もない場合は、初回違反で60日車、再違反120日車の罰則が定められています。
「常時有効保持義務違反」は、正常に作動しないアルコール検知器により酒気帯びの有無の確認を行った場合や、正常に作動しないアルコール検知器であることを理由に酒気帯びの有無の確認を行った場合のことです。
点呼業務を適切に実施し、記録を正確に保持することは、運送事業者としての責務です。これに違反すると、業務に大きな影響を及ぼす行政処分等の対象となり得るため、運行管理者や運転者は常に法令遵守を心がける必要があります。
4. 点呼業務に関わるQ&A
点呼業務に関するよくあるQ&Aは、以下の3つです。
- 運転管理者は自分自身の点呼はできる?
- 運転管理業務における適切な点呼時間は?
- 運転管理者による点呼回数の上限、下限はある?
ぜひ参考にしてください。
運行管理者は自分自身の点呼はできる?
運行管理者は、自分自身の点呼をすることは認められていません。運行管理者が運転者を兼任する場合は、他の運行管理者もしくは補助者と点呼をする必要があります。同一営業所内に他の運行管理者か補助者がいない場合は、運行管理者は運転者を兼任できないため注意してください。
なお、すでに運行管理者の基礎講習を受講済みの方や、運転管理者の資格を保有している方は、補助者になることができます。運行管理者が一人しかいない場合は、緊急時に備えて補助者を選任しておくことを推奨します。
運行管理業務における適切な点呼時間は?
点呼は、運転者の健康状態や車両の状態を十分に確認するために、十分な時間を確保することが重要です。一般的には乗務前点呼には10分から15分、乗務後点呼には5分から10分程度が目安とされています。しかし、運行の状況や運転者の状態によってはこれ以上の時間が必要となる場合もあります。
例えば運転者が疲労している場合や車両に異常が発見された場合には、さらに詳細な確認が必要になります。また、長距離運行や過酷な条件下での運行の場合には、点呼の時間を長めに設定し、できるだけ状況を詳しく確認するほうがよいでしょう。
運行管理者の点呼回数に上限、下限はある?
運行管理者が行う点呼の回数に、法的な制限は設けられていません。ただし、1ヶ月あたりの全体点呼回数の3分の1以上は、補助者に任せず、運行管理者自身が実施する必要があります。
第七条 点呼等
1.第1項、第2項及び第3項関係
(14) 第18条第3項の規定により補助者を選任し、点呼の一部を行わせる場合であっても、当該営業所において選任されている運行管理者が行う点呼は、点呼を行うべき総回数の少なくとも3分の1以上でなければならない。
引用:貨物自動車運送事業輸送安全規則の解釈及び運用について P15
点呼回数が3分の1以下、もしくは3分の1以上点呼していることを証明できない場合は、運行管理者資格者証の返納命令処分の対象となる可能性があるため、十分注意してください。
5. MIMAMO DRIVEでアルコールチェック記録業務を効率化!
MIMAMO DRIVEとは東京海上スマートモビリティが提供する、車両管理・リアルタイム動態管理サービスです。シガーソケット型端末を車両に搭載するだけで、管理者は車両を一元管理できます。
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導入事例
乳製品の卸売販売と小売店舗を営む永島牛乳店様の事例をご紹介します。永島牛乳店様では、取引先への商品の納品用に5台の社用車を保有しています。運転者の自損事故をきっかけにMIMAMO DRIVEを導入しました。
リアルタイムで車両の位置情報を把握できるため、運転者が出発後に追加注文が入った際にも、代わりに動きやすい運転者を見つけて効率よく指示出しができるようになりました。また、納品時間を気にされる取引先へのご案内もスムーズにできており、全体を通じて、管理者の負担削減につながっています。
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また、車両管理も車検満了日などは管理表を作成し運用していましたが、台数が多く負担を感じていました。導入後はMIMAMO DRIVEで一元管理し、業務の効率化を実現しています。