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フリートマネジメントとは?導入のメリットや活用事例を解説

※この記事は2024年06月14日時点の法令を基に執筆しています。 フリートマネジメントとは?導入のメリットや活用事例を解説のサムネイル

フリートマネジメントとは、企業や団体が使用する車両を効率的かつ安全に管理・運行するための重要な業務です。近年、DXの推進や人材不足の深刻化に伴い、導入を検討する企業が増えています。

しかし、フリートマネジメントのメリットや課題点がわからず、導入すべきかどうかお悩みの方もいるでしょう。

本記事では、フリートマネジメントの概要やメリット・課題点に加え、企業の具体的な導入事例をご紹介します。導入を検討している企業の方は、ぜひご参考ください。

フリートマネジメントとは

フリートマネジメントとは、企業や団体が使用する車両を管理する業務全般のことです。具体的には車両本体のメンテナンスや車検・車両保険更新などの管理、車両台数の最適化、運行ルートの策定、ドライバーの安全教育や事故対応など、多岐にわたる業務があります。「車両管理」「社用車管理」と呼ぶ企業もあります。

フリートマネジメントは、安全かつ効率的な運行を実現するために行うものです。そのため運送業界や輸送業界だけではなく、車両の使用機会があるすべての企業にとって重要な業務だと考えられるでしょう。

フリートマネジメントが注目される背景

フリートマネジメントが注目される背景には、人材不足の深刻化やデジタルトランスフォーメーション(DX)の推進があります。

人材不足の深刻化

近年は、少子高齢化による深刻な人材不足が課題となっています。年々特に物流業界や運輸業界では、ドライバーが不足している状況です。

国土交通省が発表した資料によると、トラックドライバーの求人倍率は年々増加傾向にあります。インターネット通販の需要が高まっていることが一つの理由です。しかし、需要に対して求職者は少ないため、ドライバーへの負担が増えています。

限られた人材で効率的な運行をするための手段として、フリートマネジメントが注目されています。例えば運行ルートの最適化を行うことで、ドライバーを増やさずとも多くの配送を実現することが可能です。また、リアルタイムで車両の位置を把握・管理することで、急な配送依頼にも迅速な対応ができます。

さらにドライバーの運転状況をモニタリングし、安全運転を促すことで、交通事故のリスクも軽減できます。リスクの軽減は、交通事故の発生によってさらなるドライバー不足になることの防止につながるでしょう。

DXの推進

DXとは、デジタル技術を活用して業務プロセスやビジネスモデルを変革する取り組みのことです。具体的には手作業だった業務を自動化すること、データを使って効率よく仕事をすること、新しいビジネスモデルを創出することなどが挙げられます。

総務省はDXについて、以下のように定義しています。

DXの定義は次のとおりとする。「企業がビジネス環境の激しい変化に対応し、データとデジタル技術を活用して、顧客や社会のニーズを基に、製品やサービス、ビジネスモデルを変革するとともに、業務そのものや、組織、プロセス、企業文化・風土を変革し、競争上の優位性を確立すること。」

引用元:経済産業省 デジタルガバナンス・コード2.0

人材不足が進む中で生産性を向上させるには、DXの導入が不可欠です。また、激化するデジタル競争の中で日本企業が生き残るためにも、経済産業省はDXを推進しており、企業のさまざまな業務のデジタル化を進めています。フリートマネジメントについても、同様です。

GPSやテレマティクスなどの技術を使用することで、リアルタイムで車両運行データの収集が可能になりました。さらに車両の故障予測やメンテナンス時期の最適化、危険運転の検出など、人の手による作業・管理が困難だった業務を自動化・効率化できます。さらに運行計画の最適化や、運行効率の向上が図れるでしょう。

効率的な運行管理の実現や運行効率の向上は、運用コストの削減に直結します。また、企業の競争力を高めることにもつながるため、フリートマネジメントの導入を検討する企業が増えています。

フリートマネジメントのメリット

フリートマネジメントには数多くのメリットがあります。代表的なメリットは、以下の3つです。

1、交通事故防止や安全運転強化につながる。2、管理者の負担軽減やコスト削減につながる。3、法令遵守につながる

本項では、フリートマネジメントのメリットについて、具体例を交えながら解説します。

交通事故防止や安全運転強化につながる

フリートマネジメントのメリットは、交通事故防止と安全運転の強化ができることです。車両の定期点検やメンテナンスを徹底することで、すばやく異常箇所に気付けます。

例えばタイヤの摩擦やブレーキの不具合を早期に発見・修理することで、車両異常による交通事故のリスクを軽減することが可能です。また、工事や渋滞などの道路状況や天候状況を考慮した走行ルートの作成によって、事故の発生リスクを下げることもできます。万が一事故が発生した場合でも、ドライブレコーダーの映像データを活用することで、原因の究明や再発防止策を策定しやすくなるでしょう。

さらに、フリートマネジメントで使われるシステムには、安全運転を促進する機能がついています。具体的には、車両状況をモニタリングする機能です。車両の速度や急加速・急減速といった危険運転の検出数を記録できます。運転データを定期的に分析することで、ドライバーごとの運転傾向の把握に役立てられるでしょう。

また、安全運転教育の強化にも活用できます。例えば、急ハンドル操作が多い運転手には、カーブの安全な曲がり方を指導し、運転マナーの向上を図ることが可能です。データに基づいた具体的な指導を行うことは、ドライバーの安全運転意識を高めたり、事故の発生率を軽減したりすることにつながります。

管理者の負担軽減やコスト削減につながる

車両管理に係る管理者の負担を軽減し、コスト削減につながることも、フリートマネジメントのメリットです。日々の運行記録やメンテナンス記録の手入力をシステム化することで、大幅な業務効率化が可能です。

例えば、車両の走行距離や燃料消費、メンテナンス状況を自動的に記録し、レポートを生成する機能を持つシステムを利用することで、入力の手間を省けます。手入力による誤りが排除されることで、データの正確性が向上する点もメリットの一つです。さらに車両の運行状況やメンテナンス情報を一元管理できるので、管理業務の負担を軽減できるでしょう。

車両情報の一元管理により、各車両のメンテナンス履歴をすばやく把握できます。履歴から適切なメンテナンス計画を立てられるため、整備不良による故障を防ぐことが可能です。一台を長く利用できる状態を保つことは、不要なコストの発生を抑えることにつながるでしょう。さらに、稼働率の低い車両を他の業務に活用したり、無駄な車両の購入やリースを削減したりして、コストを削減することもできます。

加えて、燃料費の削減も可能です。例えば、リアルタイムで交通情報を取得し、渋滞を避けたルートを選ぶことで、燃料消費を最小限に抑えられます。コスト削減だけでなく、運行時間の短縮も実現できるため、業務効率の向上にもつながるでしょう。より多くの顧客を訪問する余裕も生まれるため、売上アップ効果も期待できます。

法令遵守につながる

フリートマネジメントは、法令遵守にも役立ちます。車両の使用者には、定期的な法定点検や車検が義務付けられています。

(使用者の点検及び整備の義務)
第四十七条 自動車の使用者は、自動車の点検をし、及び必要に応じ整備をすることにより、当該自動車を保安基準に適合するように維持しなければならない。

引用元:道路運送車両法第四十七条

フリートマネジメントシステムを活用することで、法定要件をもれなく遵守することが可能です。例えば車両を複数使用している場合、車両ごとに車検時期の管理が必要です。車両ごとに点検時期が異なるため、適切な管理をしないと点検漏れが起きるリスクがあります。しかし、フリートマネジメントを導入すれば、点検が近づくとシステム上で知らせてくれるため、車検を逃す心配がありません。車両保険の更新時期についても同様に管理できるので、保険切れのリスクを回避できます。

また、アルコールチェック機能が搭載されているシステムもあります。道路交通法施行規則の改正により、白ナンバー車両も令和4年4月1日からアルコールチェックが義務化され、令和5年12月1日以降はアルコール検知器の使用が必須となりました。

道路交通法施行規則第9条の10(安全運転管理者の業務)
(1)運転前後の運転者に対し、当該運転者の状態を目視等で確認するほか、アルコール検知器を用いることにより、当該運転者の酒気帯びの有無を確認すること(第6号)。
(2)前記(1)の確認の内容を記録し、当該記録を1年間保存すること(第7号)。

引用元:道路交通法施行規則の一部改正について/神奈川警察署

日々のチェックを行い、結果を記録・管理することで、飲酒運転を防止することにつながります。

また、車両に関する法令遵守だけでなく、労働基準法に基づく勤務時間や休憩時間の管理にも役立てることが可能です。ドライバーの勤務時間をシステムで管理することで、休憩時間が十分かをすばやく確認できます。状況に応じて適切な休憩の取得を促せば、過労運転を防止できるでしょう。

このように、フリートマネジメントシステムを導入することで、法令遵守を徹底できます。企業は法的リスクを軽減し、社会的信用を維持することができるでしょう。法令遵守は企業の信頼性を高めるだけでなく、従業員の安全と健康を守るためにも重要です。

フリートマネジメントシステム導入のデメリット

メリットが多いフリートマネジメントにも、デメリットがあります。本項ではフリートマネジメントのデメリットについて、具体例を交えながら解説します。

導入には社内の理解を得る必要がある

フリートマネジメントシステムの導入には、社内の理解と協力が欠かせません。しかし、一定数は新しいシステムに対する抵抗感があるでしょう。特にITリテラシーが低い従業員にとっては、「新システムを導入する」という事実だけで難しく感じられ、導入への抵抗感がある場合も少なくありません。また、従業員の中にはシステムによる運行管理は「監視されている」と感じ、プライバシーの侵害やストレスを感じることがあります。

このような懸念を解消するためには、フリートマネジメントシステムの目的とメリットを明確に説明し、従業員の理解を得ることが重要です。例えば、システムが事故防止や効率的な業務運営にどのように役立つのかを具体的に示します。また、業務効率が上がると退社時間が早まる可能性があること、ドライバーを守るために導入が必要なことなどを伝えると、導入に対する不安を和らげられるでしょう。また、従業員が新しいシステムに慣れるよう、サポート体制を整えることも重要です。

導入前には、定期的な説明会やトレーニングを実施するのがおすすめです。システムの利用方法やメリットを継続的に周知することで、従業員の理解と協力を得られやすくなります。

動態管理にコストがかかる

フリートマネジメントを導入すると、コストの削減や業務効率の向上などのメリットが期待できます。しかし、導入初期には必要機器の購入や各車両への設置など、一定のコストがかかります。さらに、システム構築やマネージャー育成には、手間と時間が必要です。導入してからすぐに費用対効果を感じることが難しいため、なかなか取り組みに踏み切れない企業もあるでしょう。

しかし、システムに頼らずフリートマネジメントを行うと業務効率が悪く、多くの作業時間が発生します。人的ミスが発生するリスクもあり、リカバリーに手間や時間がかかることもあるでしょう。コストをかけずに取り組もうとした結果、人的コストがかさみ、費用対効果を得られないこともあるのです。

システム導入は一時的に手間とコストがかかりますが、長期的にみると業務の自動化・効率化につながります。管理者の負担も軽減されるでしょう。結果としてコスト削減につながるため、長期的な視点を持ったうえで導入を検討することが重要です。

フリートマネジメントを行う際のポイント

フリートマネジメントを行う際には、ポイントがあります。本項では、フリートマネジメント導入時に押さえておくべきポイントを紹介します。具体的には、以下の3つです。

1,
  運行管理者・安全運転責任者を選任する。2、車両管理規程を作成する。3、管理部門・車両管理責任者を明確化する。

それぞれについて具体的に解説します。

運行管理者・安全運転管理者を専任する

フリートマネジメントを効果的に行うには、運行管理者・安全運転管理者を選任することが重要です。一般旅客自動車運送事業者(タクシー・バスなどの運行事業者)や一般貨物自動車運送事業者(トラックなどの運行事業者)、特定旅客自動車運送事業者、特定貨物自動車運送事業者には、運行管理者が法律で義務付けられています。

(運行管理者)
第二十三条 一般旅客自動車運送事業者は、事業用自動車の運行の安全の確保に関する業務を行わせるため、国土交通省令で定める営業所ごとに、運行管理者資格者証の交付を受けている者のうちから、運行管理者を選任しなければならない。

引用元:道路運送法第二十三条第一項

(運行管理者)
第十八条 一般貨物自動車運送事業者は、事業用自動車の運行の安全の確保に関する業務を行わせるため、国土交通省令で定めるところにより、運行管理者資格者証の交付を受けている者のうちから、運行管理者を選任しなければならない。

引用元:貨物自動車運送事業法第十八条第一項

(特定旅客自動車運送事業)
第四十三条 5 第十五条、第十七条、第二十条、第二十二条から第二十三条まで、第二十三条の五、第二十五条、第二十七条、第二十八条第一項、第二十九条から第二十九条の三まで、第三十三条、第四十条及び第四十一条の規定は、特定旅客自動車運送事業について準用する。この場合において、第十五条第二項中「第六条」とあるのは「第四十三条第三項」と、第十七条中「第十五条第一項の規定にかかわらず」とあるのは「第四十三条第五項において準用する第十五条第一項の規定にかかわらず」と、「事業計画及び運行計画の変更については、第十五条第一項、第三項及び第四項、第十五条の二第一項並びに第十五条の三第二項及び第三項」とあるのは「事業計画の変更については、第四十三条第五項において準用する第十五条第一項、第三項及び第四項」と読み替えるものとする。

引用元:道路運送法第四十三条第五項

(特定貨物自動車運送事業)
第三十五条 6 第九条、第十五条、第十六条、第十七条第一項から第四項まで、第十八条、第二十二条第二項及び第三項、第二十二条の二から第二十四条の四まで、第二十七条、第三十二条並びに第三十三条の規定は特定貨物自動車運送事業者について、第十七条第五項及び第二十二条第三項の規定は特定貨物自動車運送事業者の事業用自動車の運転者及び従業員について、同条第一項の規定は特定貨物自動車運送事業者が選任した運行管理者について、第二十九条の規定は特定貨物自動車運送事業に係る輸送の安全に関する業務について、前条の規定は特定貨物自動車運送事業者の事業用自動車について準用する。この場合において、第九条第二項中「第六条」とあるのは、「第三十五条第三項」と読み替えるものとする。

引用元:貨物自動車運送事業法第三十五条第六項

また、一定台数以上の社用車を使用している事業所を持つ事業者は、道路交通法に則り、安全運転管理者の選任が義務付けられています。

(安全運転管理者等)
第七十四条の三 自動車の使用者(道路運送法の規定による自動車運送事業者(貨物自動車運送事業法(平成元年法律第八十三号)の規定による貨物軽自動車運送事業を経営する者を除く。以下同じ。)、貨物利用運送事業法の規定による第二種貨物利用運送事業を経営する者及び道路運送法第七十九条の規定による登録を受けた者を除く。以下この条において同じ。)は、内閣府令で定める台数以上の自動車の使用の本拠ごとに、年齢、自動車の運転の管理の経験その他について内閣府令で定める要件を備える者のうちから、次項の業務を行う者として、安全運転管理者を選任しなければならない。

引用元:道路交通法第七十四条の三第一項

運行管理者と安全運転管理者は、車両運行の安全を確保するために選任するものです。車両運行計画の作成やドライバーの状態管理、安全運転教育などを行います。必要な管理者を選任し、フリートマネジメントの指揮を任せることで、効果的にマネジメントを行えるでしょう。

運転管理者・安全運転管理者の詳しい解説は、以下記事をご参考ください。

車両管理規程を作成する

車両管理規程とは、車両の使用方法や点検・整備の手順、安全運転のルールなどを明文化したものです。従業員に周知徹底することで、安全意識の向上を図ります。

例えば、運転中の携帯電話の使用禁止やシートベルトの着用、法定速度の遵守など、安全運転に関する具体的なルールを定め、従業員に徹底させます。また、交通事故が発生した場合の対応手順や報告方法も規定すると、万が一の時にも迅速かつ適切な対応がとれるでしょう。車両管理規程の作成により、日常業務での安全運転が促進され、事故リスクを減少させることにつながります。

管理部門・車両管理責任者を明確化する

管理部門と車両管理責任者を明確にすることも、フリートマネジメントを行う際のポイントです。フリートマネジメントの業務は幅広く、内容によって管理部門が異なる場合があります。例えば、車両保険や車検の手配は総務部が担当、安全運転指導や運行計画の立案は営業部門や配送部門が行うなどです。事前に各管理業務の担当部門を決定しておくと、管理の一貫性が保たれます。

なお、同時に各部門の責任者と最高責任者の配置も行いましょう。各部門や担当者が自分の役割と責任を理解し、適切に業務を遂行できるようにするために、明確な指示系統と報告体制を整えることが重要です。

各業務の管理部門を明確にし、各部門間の連携を強化することで、フリートマネジメントの実施がスムーズに進みやすくなります。業務効率も上がるでしょう。

飲酒運転における罰則

フリートマネジメントにおいて、飲酒運転の防止は極めて重要な課題です。アルコールは運転時の注意力・判断力を低下させ、重大な事故を引き起こすリスクが高まります。そのため飲酒後の運転は、道路交通法第六十五条に基づき厳しく禁じられています。

(酒気帯び運転等の禁止)
第六十五条 何人も、酒気を帯びて車両等を運転してはならない。
2 何人も、酒気を帯びている者で、前項の規定に違反して車両等を運転することとなるおそれがあるものに対し、車両等を提供してはならない。
3 何人も、第一項の規定に違反して車両等を運転することとなるおそれがある者に対し、酒類を提供し、又は飲酒をすすめてはならない。
4 何人も、車両(トロリーバス及び旅客自動車運送事業の用に供する自動車で当該業務に従事中のものその他の政令で定める自動車を除く。以下この項、第百十七条の二の二第一項第六号及び第百十七条の三の二第三号において同じ。)の運転者が酒気を帯びていることを知りながら、当該運転者に対し、当該車両を運転して自己を運送することを要求し、又は依頼して、当該運転者が第一項の規定に違反して運転する車両に同乗してはならない。

引用元:道路交通法第六十五条

飲酒運転による罰則は、以下の通り定められています。飲酒運転者は道路交通法第百十七条の二第百十七条の二の二に則り、以下の罰則・処分が科せられます。

酒気帯び運転(呼気中アルコール濃度が0.15mg/L以上0.25mg/L未満の場合) 3年以下の懲役または50万円以下の罰金 13点減点、免許停止90日
酒気帯び運転(呼気中アルコール濃度が0.25mg/L以上の場合) 3年以下の懲役または50万円以下の罰金 25点減点、免許取り消し(欠格期間2年)
酒酔い運転(呼気中アルコール濃度に関わらず、正常な運転ができない状態) 5年以下の懲役または100万円以下の罰金 35点減点、免許取り消し(欠格期間3年)

※免許停止、欠格期間はその他の累積点数や前例がない場合に限る

飲酒運転に関わる罰則は運転者だけでなく、車両を提供した者や酒類を提供した者、同乗者なども対象です。道路交通法第百十七条の二第百十七条の二の二第百十七条の三の二に則り、以下の罰則が科されます。

車両提供者
(酒酔い運転の場合)
5年以下の懲役または100万円以下の罰金
車両提供者
(酒気帯び運転の場合)
3年以下の懲役または50万円以下の罰金
酒類提供者および同乗者
(酒酔い運転の場合)
3年以下の懲役または50万円以下の罰金
酒類提供者および同乗者
(酒気帯び運転の場合)
2年以下の懲役または30万円以下の罰金

上記の通り、飲酒運転をすると厳しい罰則が科せられます。万が一従業員による飲酒運転が発覚すると、企業の信用を損ねたり賠償問題に発展したりするリスクもあるのです。したがって、飲酒運転防止のための取り組みは、徹底的に行う必要があります。

すでに法令で義務付けられているアルコールチェックの徹底や結果の記録・管理はもちろんのこと、飲酒運転の危険性・罰則を知らせる教育も実施することが重要です。過去の事例や事故のデータを用いて、従業員が飲酒運転の危険性を理解する機会を作りましょう。

企業独自の規定や教育、管理体制を整備することで、飲酒運転のリスクを最小限に抑えられます。

MIMAMO DRIVEでフリートマネジメントを効率化!

企業の車両管理や安全運転等を支援するフリートマネジメントサービス「MIMAMO DRIVE」(ミマモドライブ)では、社用車に関するお困りごとを解決します。

MIMAMO DRIVEとは

MIMAMO DRIVEとは東京海上スマートモビリティが提供する、車両管理・リアルタイム動態管理サービスです。シガーソケット型端末を車両に搭載するだけで、管理者は車両を一元管理できます。

MIMAMO DRIVEでは、日報の自動化に加えてアルコール検知器のチェック結果の写真や測定結果の数値も、日報と一緒に一元管理する機能を搭載しています。そのほか、リアルタイムでの走行状況をマップで確認できたり、走行距離を自動で記録できたりする便利な機能が多数あります。

「月報・日報を書く時間がない」
「紙媒体で管理していた煩雑な車両の使用状況を効率的に管理したい」
「事故のリスクを減らす効果的な方法が知りたい」

そんなお困りごとを、MIMAMO DRIVEなら解決できます。

ほかにも急ブレーキや急カーブなどの発生地点も確認できる機能があり、運転者に安全運転指導ができるので事故防止にもつながります。

東京海上グループは、お客様や地域社会の“いざ”をお支えするというパーパスを掲げ、100 年以上に わたり自動車保険をはじめとする様々な保険商品を提供してきました。

MIMAMO DRIVEは東京海上グループが長年培ってきた安全に関するノウハウに基づき運転者の走行を数値化し、アドバイス。運転評価やランキング、運転性向など、安全指導に活用できる機能を搭載しています。

MIMAMO DRIVEを導入するメリット

MIMAMO DRIVEは車両管理に関する重要な情報を一元管理できます。

  • アルコールチェック記録簿と日報を一元化
  • ペーパーレス化による管理作業時間を短縮
  • リアルタイムで位置情報を可視化し、管理業務の効率化
  • 運転者の安全運転意識と運転マナーの向上
  • 全車両の一元管理で車検や保険の更新漏れを防止

上記のメリットのほかに、MIMAMO DRIVEのwebサイトは、運転者がスマホから入力可能なところも運転者が漏れなく記録できるポイントです。スマホからなら直行直帰や出張などで営業所に立ち寄れない場合でも、検知器の結果を日報にその場であげることができます。とくに遠隔の場合は、紙媒体だと車両に持ち込み忘れたり、紛失したりする恐れがあります。MIMAMO DRIVEなら、遠隔でも運転者が記入したかどうかを確認することができ、記録簿の紛失の心配もいりません。

導入事例

乳製品の卸売販売と小売店舗を営む永島牛乳店様の事例をご紹介します。永島牛乳店様では、取引先への商品の納品用に5台の社用車を保有しています。運転者の自損事故をきっかけにMIMAMO DRIVEを導入しました。

リアルタイムで車両の位置情報を把握できるため、運転者が出発後に追加注文が入った際にも、代わりに動きやすい運転者を見つけて効率よく指示出しができるようになりました。また、納品時間を気にされる取引先へのご案内もスムーズにできており、全体を通じて、管理者の負担削減につながっています。

ガソリンスタンドの運営と燃料の卸販売、ビルメンテナンス業を営む手塚商事様の事例をご紹介します。運転者の日報の手書きによる記載ミスが発生していました。MIMAMO DRIVEの導入により、日報の作成が自動化され毎日の作業時間を30~40分短縮できています。

また、車両管理も車検満了日などは管理表を作成し運用していましたが、台数が多く負担を感じていました。導入後はMIMAMO DRIVEで一元管理し、業務の効率化を実現しています。

自社に合ったフリートマネジメントを実現しよう

フリートマネジメントは、企業や団体が使用する車両を効率的かつ安全に管理・運行するために欠かせない業務です。

運行管理の効率化や安全運転の強化が求められる中、フリートマネジメントが一層重要になっています。

フリートマネジメントの導入には、さまざまなメリットがあります。具体的には交通事故の防止や安全運転の強化、管理者の負担軽減、コスト削減、法令遵守などです。一方でコストがかかったり、社内の理解と協力が必要だったりする課題もあります。導入時には長期的な視点での費用対効果を考えること、従業員への丁寧な説明・サポートをすることが不可欠です。

MIMAMO DRIVEのようなフリートマネジメントサービスを活用すれば、車両管理の効率化、安全運転の推進、法令遵守の徹底が可能です。実際の導入事例では、リアルタイムでの車両位置情報の把握や日報の自動化、アルコールチェックの記録管理など、多くの利便性と効果が確認されています。

フリートマネジメントの導入を検討している企業は、本記事で紹介したメリットや課題、具体的な導入事例を参考に、自社に最適なシステムを選びましょう。フリートマネジメントの導入は効率的で安全な運行管理を実現し、企業の競争力を高めることにつながります。